【山梨県で創業融資を受けるには】日本政策金融公庫で融資を受ける条件・必要書類・申請の流れ

▼目次
1. 山梨県で創業融資を受けるなら日本政策金融公庫が有力な理由
山梨県でこれから事業を始める場合、資金調達先として有力な選択肢の一つが日本政策金融公庫です。
創業時には、
・店舗や事務所の契約費用・内装工事費・機械設備や車両の購入費・仕入資金・広告宣伝費・開業後の運転資金
など、売上が発生する前からまとまった資金が必要になります。
しかし、創業前や創業直後は決算実績がなく、民間金融機関から十分な融資を受けることが難しい場合があります。
日本政策金融公庫では、創業予定者や創業後間もない事業者への融資を積極的に取り扱っているため、山梨県で創業する人にとって検討しやすい資金調達先です。
創業前でも申し込みを検討できる
日本政策金融公庫の特徴の一つが、まだ事業を始めていない段階でも融資を検討できることです。
一般的な事業融資では、過去の決算書や売上実績をもとに返済能力を判断することが多くあります。
しかし、これから創業する人には過去の事業実績がありません。
そのため創業融資では、過去の決算よりも、
これまでの経験
創業する理由
商品やサービスの内容
販売先や顧客
必要な資金
売上・利益の見込み
自己資金
などを中心に事業の実現性を説明します。
「まだ開業していないから融資を受けられない」と考える必要はなく、むしろ開業前の資金準備段階から相談することが重要です。
設備資金と運転資金の両方を検討できる
創業時の資金には、大きく分けて設備資金と運転資金があります。
設備資金とは、
店舗内装
機械
車両
厨房設備
パソコン
事務機器
など、事業開始時に必要となる設備への資金です。
一方、運転資金は、
仕入
家賃
人件費
広告費
外注費
など、事業を継続するために必要となる資金です。
創業時は「店舗を作るお金」だけに目が向きやすいですが、開業直後から十分な売上が発生するとは限りません。
そのため、開業後数か月間の運転資金まで含めて資金計画を作ることが重要です。
補助金だけに頼らず創業資金を確保できる
創業時には補助金を探す人も多いですが、補助金だけで開業資金を準備するのは難しい場合があります。
補助金は審査があり、不採択になる可能性があります。
また、多くの補助金は後払いとなるため、事業者が先に経費を支払わなければならないことがあります。
そのため実務では、
自己資金
創業融資
利用可能な補助金
を組み合わせて資金計画を作る方が現実的です。
特に、補助金が採択されなくても開業できる程度の資金を確保しておくことで、創業計画を安定させやすくなります。
2. 日本政策金融公庫の創業融資とは?主な制度と特徴
日本政策金融公庫は、国が100%出資する政策金融機関で、小規模事業者や創業者などへの融資を行っています。
これから新しく事業を始める人や、事業開始後まだ実績が少ない人も融資対象として想定されています。
創業融資では、一般的な企業融資のように過去数年分の業績だけを見るのではなく、創業者本人の経験や事業計画、必要資金、返済可能性などを総合的に審査します。
創業計画書が重要になる
創業融資の申込みでは、創業計画書が重要な資料になります。
創業計画書には、
創業の動機
経営者の略歴
取扱商品・サービス
取引先
必要資金と調達方法
事業の見通し
などを記載します。
単に「飲食店を開きたい」「建設会社を始めたい」という内容では十分ではありません。
なぜその事業を始めるのか、なぜ自分が成功できるのか、どのように顧客を獲得するのかまで具体的に説明する必要があります。
実務では、数字だけ整った計画書よりも、創業者の経験と事業内容がつながっている計画書の方が説得力を持たせやすくなります。
原則として返済が必要な資金
創業融資は補助金ではありません。
金融機関から借りる資金なので、融資後は元本と利息を返済していく必要があります。
そのため、
「借りられる最大額はいくらか」
だけで考えるのではなく、
「毎月いくらなら無理なく返済できるのか」
を考えることが重要です。
創業直後は売上が不安定になりやすいため、予定より売上が少なかった場合でも返済できる計画を作っておく必要があります。
融資を受けること自体を目的にせず、借入後の資金繰りまで考えておきましょう。
金利や融資条件は申込者によって異なる
日本政策金融公庫の融資条件は、利用する制度や申込者の状況などによって異なります。
創業者の年齢や事業内容、一定の条件への該当状況などによって、適用される融資制度や金利条件が変わる場合があります。
そのため、インターネット上に記載されている一つの金利だけを見て、自分の条件を決めつけることはおすすめできません。
創業時期や必要資金、事業内容を整理したうえで、自分が利用できる制度を確認することが重要です。
インターネットから申し込むこともできる
現在、日本政策金融公庫の事業資金融資はインターネットから申し込むこともできます。
必要書類を電子データで準備し、申込情報を入力して提出することができます。
ただし、オンラインで申込みができるからといって、簡単な入力だけで審査が終わるわけではありません。
申込後には、事業内容や資金の使い道などについて確認されます。
創業者の場合は、面談などで創業計画の内容を説明できるよう準備しておくことが重要です。
3. 創業融資を受けるための主な条件
創業融資は、申請すれば必ず受けられるものではありません。
日本政策金融公庫では、事業計画や創業者の経験、自己資金、必要資金、返済可能性などを確認したうえで融資の可否を判断します。
そのため、創業融資を受けるには「申込条件を満たすこと」と「審査で事業の実現性を説明できること」の両方が重要です。
創業する事業に具体性があること
まず重要なのは、どのような事業を始めるのかが具体的になっていることです。
たとえば、
「飲食店を始めます」
だけではなく、
どこで開業するのか
どのような顧客を対象にするのか
客単価はいくらか
月に何人程度来店するのか
どのくらいの売上を見込むのか
を具体的に整理します。
事業内容が具体的になるほど、必要資金や売上予測にも根拠を持たせやすくなります。
特に創業融資では過去の決算実績がないため、事業計画の具体性が重要です。
創業する業種の経験があることはプラスになる
創業予定の業種に関する経験も重要なポイントです。
たとえば、飲食店で10年間勤務していた人が独立して飲食店を開業する場合は、これまでの経験を事業に生かせることを説明できます。
一方、全く経験のない業種へ参入する場合には、
なぜその事業を選んだのか
必要な知識をどのように身につけたのか
経験不足をどのように補うのか
を説明する必要があります。
未経験だから必ず融資を受けられないわけではありませんが、経験者よりも事業の実現可能性について詳しい説明が必要になる傾向があります。
必要資金の根拠を説明できること
創業融資では、
「とりあえず500万円借りたい」
というだけではなく、なぜその金額が必要なのかを説明する必要があります。
たとえば、
内装工事200万円
設備購入150万円
仕入50万円
広告費20万円
運転資金80万円
合計500万円
というように、資金の使い道を具体的にします。
設備資金の場合には、見積書などを準備します。
必要資金の根拠が具体的であるほど、融資希望額にも説得力を持たせやすくなります。
返済できる事業計画になっていること
融資は返済が必要なので、事業から生み出される利益で返済できることが重要です。
たとえば、毎月の売上が100万円と予測されていても、
仕入40万円
家賃15万円
人件費20万円
その他経費15万円
がかかれば、残る金額は限られます。
そこから融資を返済する必要があります。
そのため、売上だけではなく、経費と利益まで含めて計算することが大切です。
「売上がこれだけあるから返せる」ではなく、毎月どの程度の利益と現金が残るのかまで確認しましょう。
4. 自己資金はいくら必要?審査で見られるポイント
創業融資を検討するとき、多くの人が気になるのが、
「自己資金はいくら必要なのか」
という点です。
現在の日本政策金融公庫の創業向け融資については、以前の制度にあったような「創業資金総額の10分の1以上」といった自己資金要件が一律の必須条件ではない制度があります。
そのため、
「自己資金が○円なければ絶対に申し込めない」
と単純に判断する必要はありません。
ただし、自己資金が審査上重要ではなくなったという意味でもありません。
自己資金は創業準備の状況を示す材料になる
自己資金は、創業者がどの程度計画的に準備してきたかを確認する材料の一つになります。
たとえば、数年間にわたり給与から毎月一定額を貯蓄し、300万円を準備した人であれば、
「以前から創業を計画して準備してきた」
という説明をしやすくなります。
一方、申込み直前に知人から300万円を借り、それを自己資金のように見せることは適切ではありません。
審査では、通帳などを通じて資金形成の経緯を確認されることがあります。
自己資金は、単に残高の金額だけでなく、どのように準備したのかも重要です。
自己資金ゼロでは資金計画が厳しくなりやすい
制度上、一律の自己資金要件がないからといって、自己資金ゼロでも問題ないとは限りません。
創業に1,000万円必要で、その全額を借入で準備する計画と、自己資金300万円を用意して700万円を借りる計画では、資金計画の見え方が異なります。
また、開業時には予想外の支出が発生することもあります。
自己資金をすべて設備費に使ってしまい、開業後の運転資金がほとんど残っていない計画にも注意が必要です。
実務では、設備投資だけでなく、売上が安定するまでの資金も含めて自己資金と融資額のバランスを考えることが重要です。
通帳の入出金にも注意する
創業融資の審査では、事業計画だけではなく、申込者の資金状況について確認されることがあります。
その際、預金通帳の入出金から、
自己資金をどのように準備したのか
毎月継続して貯蓄しているか
大きな入金の出所は何か
などを確認される場合があります。
申込直前に大きな金額が入金されている場合は、その資金がどこから来たものなのか説明が必要になる可能性があります。
創業を考え始めた段階から、事業用に使う自己資金を計画的に準備しておくことが大切です。
自己資金以外にも総合的に審査される
創業融資では、自己資金だけで可否が決まるわけではありません。
審査では、
創業する理由
これまでの職歴・経験
商品やサービスの競争力
顧客や販売先の見込み
必要資金の妥当性
売上・利益の計画
借入後の返済可能性
などを総合的に確認します。
たとえば、自己資金が多くても、売上予測に根拠がなく、なぜその事業を始めるのか説明できなければ、事業計画として十分とはいえません。
反対に、自己資金だけを見るのではなく、経験や取引先、具体的な事業準備などを含めて審査されます。
創業融資を受けるためには、「いくら貯金があるか」だけを気にするのではなく、創業計画全体の説得力を高めることが重要です。
5. 創業融資の申請に必要な書類
日本政策金融公庫へ創業融資を申し込む場合は、事業内容や必要資金、返済可能性などを確認するための書類を準備します。
必要書類は、個人事業主か法人か、創業前か創業後か、設備資金を含むかなどによって異なります。
特に重要なのは、単に書類をそろえることではなく、それぞれの内容に矛盾がないことです。
創業計画書では500万円必要としているのに、見積書を合計すると300万円しかないなど、数字が合っていないと追加説明が必要になる可能性があります。
創業計画書
創業前または創業後間もない場合に、特に重要となるのが創業計画書です。
創業計画書では、主に、
・創業の動機・経営者の略歴や経験・取扱商品、サービス・取引先や販売先・従業員・必要資金・資金調達方法・売上、利益の見込み
などを整理します。
ここで大切なのは、「数字を埋めること」ではありません。
たとえば月商100万円を見込むのであれば、
客単価5,000円
1日10人
月20日営業
というように、売上の根拠まで説明できるようにしておく必要があります。
融資担当者が見たときに、「この売上なら実現できそうだ」と判断できる内容にすることが重要です。
設備資金では見積書を準備する
店舗の内装、機械設備、車両などに融資を利用する場合には、見積書などを準備します。
たとえば、
厨房設備200万円
内装工事250万円
車両150万円
という計画であれば、それぞれ金額を確認できる資料を用意します。
設備資金は、何にいくら使うのかが比較的分かりやすいため、見積書と創業計画書の数字を一致させておくことが大切です。
また、融資申込前に必要以上に契約や支払いを進めてしまうと、資金計画との整合が取りにくくなることがあります。
大きな設備投資を予定している場合は、契約のタイミングも含めて確認しておくと安心です。
本人確認資料・法人関係書類など
申込者本人を確認するための資料や、法人の場合は法人に関する書類が必要になります。
また、すでに事業を開始している場合には、
確定申告書
試算表
決算書
などを求められることがあります。
創業後すぐで十分な決算実績がない場合でも、現在までの売上状況や経費状況を整理しておくと説明しやすくなります。
法人を設立して申し込む場合は、会社の登記事項や事業内容と創業計画書の内容が一致しているかも確認しておきましょう。
自己資金を確認できる資料も整理する
自己資金については、通帳などで資金形成の経緯を確認されることがあります。
そのため、
給与から継続して貯蓄してきた
退職金を創業資金に充てる
事業準備のため計画的に積み立ててきた
といった経緯が分かる状態にしておくことが望ましいです。
申込直前にまとまった金額を入金している場合には、その出所について説明を求められる可能性があります。
創業融資では「今いくら持っているか」だけでなく、その資金をどのように準備したのかも重要な確認ポイントになります。
6. 日本政策金融公庫へ申し込む流れ|相談から融資実行まで
日本政策金融公庫の創業融資は、一般的に、
創業計画の作成
必要書類の準備
融資申込み
面談・審査
融資決定
契約
融資実行
という流れで進みます。
創業時は店舗契約や設備発注など、ほかの準備も同時に進むことが多いため、融資スケジュールを早めに確認しておくことが重要です。
まず必要資金と事業計画を整理する
最初に行いたいのは、
いくら必要なのか
何に使うのか
自己資金はいくらあるのか
いくら融資を希望するのか
を整理することです。
たとえば、開業資金が合計800万円必要で、自己資金300万円を準備できるのであれば、残り500万円をどのように調達するか検討します。
設備資金だけではなく、開業後の運転資金も計算しておくことが重要です。
創業直後から予定どおり売上が上がるとは限らないため、数か月分の固定費まで見込んでおくと資金計画に余裕を持たせやすくなります。
申込みと必要書類の提出
事業計画がまとまったら、融資の申込みを行います。
現在はインターネットから申込みを進める方法もあります。
申込時には、創業計画書や見積書など、必要な資料を提出します。
ここで重要なのは、希望融資額だけを先に決めないことです。
「500万円借りたいから500万円で申し込む」のではなく、必要資金を積み上げた結果として500万円必要になるという形にする方が説明しやすくなります。
面談では創業計画について確認される
申込後は、担当者との面談などを通じて事業内容を確認されます。
面談では、
なぜ創業するのか
これまでどのような経験があるのか
顧客をどう確保するのか
なぜその売上を見込めるのか
資金を何に使うのか
返済できる見込みがあるか
などを聞かれることがあります。
創業計画書に書いた内容を暗記する必要はありません。
自分自身の事業なので、計画書を見なくても大まかな内容や数字を説明できる状態にしておくことが重要です。
審査後に融資決定・契約へ進む
面談や提出資料をもとに審査が行われ、融資可能と判断されれば、融資条件が決定します。
希望した金額がそのまま認められるとは限りません。
申込額より少ない金額になる場合や、融資条件について調整が行われることもあります。
融資が決定した後は、契約手続きを行い、指定口座へ資金が入金されます。
創業予定日や設備代の支払日が決まっている場合は、審査期間も考慮し、余裕を持って申し込むことが大切です。
開業直前ではなく早めに相談する
創業融資で避けたいのが、
「来週設備代を払うので、今から融資を申し込みたい」
という状態です。
融資には書類準備や審査が必要なので、すぐに資金が入るとは限りません。
また、急いで作った創業計画では、売上予測や必要資金を十分に整理できないことがあります。
店舗契約や大きな設備発注を確定する前から資金計画を作り、余裕を持って相談することが重要です。
7. 創業融資で審査に落ちやすい主なケースと注意点
創業融資は、申込みをすれば必ず受けられるものではありません。
創業者本人の経験、自己資金、事業計画、必要資金、返済可能性などを総合的に確認して融資の可否が判断されます。
特に注意したいのは、「書類だけきれいに作れば融資を受けられる」と考えることです。
創業計画書の内容と、実際の準備状況や本人の説明が一致していることが重要です。
売上計画の根拠が弱い
審査で問題になりやすいのが、売上予測に根拠がないケースです。
たとえば、
「初年度から月商300万円を予定しています」
と書いていても、
なぜ300万円売れるのか
顧客はどこから来るのか
客単価はいくらなのか
営業件数はいくら必要なのか
が説明できなければ、計画の実現性を判断しにくくなります。
売上は希望額ではなく、客数、単価、営業日数、契約件数などから積み上げて考えることが重要です。
特に創業直後は認知度も低いため、最初から売上を高く設定しすぎない方が現実的な計画になります。
必要資金の使い道が曖昧
「運転資金として800万円必要」とだけ書いても、なぜ800万円必要なのかが分かりません。
たとえば、
仕入150万円
人件費200万円
家賃90万円
広告費60万円
その他300万円
など、具体的に使い道を整理する必要があります。
設備資金についても見積書と金額が一致していることが重要です。
必要額を具体的に計算した結果として融資希望額が決まっていることが、計画の説得力につながります。
経験と創業する事業につながりがない
これまでの職歴と創業予定の事業が大きく異なる場合には、事業を実際に運営できるのか説明が必要です。
たとえば、飲食業の経験がまったくない人が突然飲食店を開業する場合です。
未経験だから融資が不可能というわけではありませんが、
研修を受けた
経験者を採用する
資格を取得した
専門家の支援を受ける
など、経験不足をどう補うのかを説明する必要があります。
逆に、これまで長年勤務してきた業界で独立する場合には、経験や人脈、技術を創業計画へ具体的に反映すると説得力を持たせやすくなります。
自己資金の形成過程を説明できない
自己資金についても注意が必要です。
たとえば、申込直前に口座へ300万円が入金されているものの、その出所を説明できない場合です。
借りたお金を一時的に口座へ入れ、自己資金のように見せることは適切ではありません。
自己資金については、
毎月の給与から積み立てた
退職金を利用する
長期間の貯蓄を利用する
といった資金形成の経緯を説明できることが重要です。
創業を考え始めた段階から、計画的に資金を準備しておく方がよいでしょう。
返済後に資金が残らない計画になっている
融資を受ける以上、毎月返済を行う必要があります。
そのため、売上から経費を差し引いた利益がほとんど残らない計画では、返済可能性について疑問を持たれる可能性があります。
また、創業者自身の生活費についても考える必要があります。
事業の利益をすべて返済へ回す計画では、経営者本人の生活が成り立たなくなる可能性があります。
売上だけを大きく見せるのではなく、
経費
借入返済
税金
生活費
まで考慮し、無理のない事業計画を作ることが重要です。
創業融資の審査では、「融資を受けられる計画」を作ることではなく、「融資を受けた後も事業を継続できる計画」を作ることが最も重要です。
8. 融資額・返済期間・金利はどう決まる?
創業融資を検討するときは、「いくら借りられるのか」「何年で返すのか」「金利はいくらか」が気になるところです。
ただし、これらは一律ではありません。
利用する融資制度、資金使途、申込者の状況、事業計画、返済能力などによって条件が変わります。
そのため、インターネット上に掲載されている最大融資額や最低金利だけを見て、自分も同じ条件で借りられると考えるのは避けた方がよいでしょう。
融資額は必要資金と返済能力をもとに判断される
創業融資では、希望した金額がそのまま融資されるとは限りません。
審査では、
何にいくら必要なのか
自己資金はいくらあるのか
売上・利益の見込みはどうか
毎月の返済が可能か
などを確認したうえで融資額が判断されます。
たとえば、開業に600万円しか必要ないにもかかわらず、理由なく1,000万円を希望しても、必要性を説明しにくくなります。
一方で、設備費や運転資金を具体的に積み上げた結果として1,000万円必要なのであれば、その根拠を見積書や事業計画で示すことができます。
融資希望額は、「できるだけ多く借りたい」という考え方ではなく、事業に必要な金額から決めることが重要です。
返済期間は資金使途によって異なる
返済期間は、設備資金か運転資金かによって異なることがあります。
設備資金は、機械や車両、店舗設備など長期間利用するものに使う資金なので、比較的長い返済期間を設定できる制度があります。
一方、運転資金は仕入、人件費、家賃など日常的な事業運営に使う資金であり、設備資金とは返済条件が異なる場合があります。
返済期間を長くすると毎月の返済額を抑えやすくなりますが、その分、支払う利息の総額が増える可能性があります。
反対に、返済期間を短くすれば利息負担は抑えやすくなりますが、毎月の返済額は大きくなります。
創業直後の資金繰りを考えながら、無理のない返済期間を検討することが重要です。
金利は利用制度や条件によって変わる
日本政策金融公庫の金利は、利用する融資制度や返済期間などによって異なります。
また、一定の条件を満たすことで特別利率が適用される場合もあります。
そのため、「創業融資の金利は必ず○%」という一律のものではありません。
金利は時期によっても改定されることがあります。
実際に申込みを検討するときは、日本政策金融公庫の最新の利率を確認したうえで返済計画を作ることが重要です。
毎月の返済額から逆算して考える
創業融資では、「借りられる金額」よりも「無理なく返済できる金額」を重視することが大切です。
たとえば、毎月10万円の返済であれば事業を安定して継続できるのか、それとも5万円程度に抑えた方が安全なのかを考えます。
創業直後は、
売上が計画より少ない
想定外の設備費が発生する
広告費が増える
仕入価格が上がる
といったこともあります。
そのため、計画どおりの売上を前提にぎりぎり返済できる状態より、多少売上が下がっても返済できる余裕を持たせた方が安全です。
9. 山梨県・甲府市で創業融資を利用する際の実務上のポイント
山梨県・甲府市で創業する場合、日本政策金融公庫の融資だけでなく、山梨県や市町村の制度融資、信用保証協会を利用した融資など、複数の資金調達方法を検討できます。
どの制度が適しているかは、創業する業種、必要資金、自己資金、開業時期などによって変わります。
そのため、日本政策金融公庫だけに絞るのではなく、地域の支援制度も含めて比較することが重要です。
日本政策金融公庫と地域の制度融資を比較する
創業時の融資先として日本政策金融公庫は有力ですが、山梨県や市町村の制度融資が利用できる場合もあります。
制度融資は、自治体、金融機関、信用保証協会などが連携して中小企業や創業者を支援する仕組みです。
制度によっては、
保証料への支援
利子負担の軽減
創業者向けの融資枠
などが用意されていることがあります。
そのため、金利だけでなく、
保証料
返済期間
必要な自己資金
融資までの期間
などを含めて比較するとよいでしょう。
山梨県内での商圏や顧客層を具体的にする
創業計画では、山梨県内のどの地域を商圏とするのかも重要です。
たとえば、甲府市で店舗を出す場合でも、
甲府駅周辺
住宅地
郊外型店舗
観光客向け
地元住民向け
では、想定する顧客や売上の作り方が変わります。
「山梨県で需要があると思う」という説明だけではなく、
どの地域に顧客がいるのか
競合店はどこにあるのか
どのように集客するのか
まで具体的に整理すると、事業計画の説得力を高めやすくなります。
補助金と創業融資を組み合わせる方法もある
山梨県・甲府市で創業する場合、創業融資と補助金を組み合わせる方法もあります。
たとえば、
創業融資で店舗設備と運転資金を確保する
補助金で広告や設備投資の一部を補う
といった方法です。
ただし、補助金は後払いとなることが多く、必ず採択されるわけでもありません。
そのため、補助金を受けられなくても事業を開始できる資金計画を作り、補助金は追加支援として考える方が安全です。
創業融資と補助金の申請時期が重なる場合は、事業計画や見積書の内容を統一しておくことも重要です。
許認可が必要な業種は融資前に確認する
創業する業種によっては、営業開始前に許認可が必要です。
たとえば、
建設業
飲食業
古物営業
運送業
産業廃棄物関係
などです。
必要な許認可を取得できる見込みがないまま事業計画を作ると、予定どおり開業できない可能性があります。
また、許認可取得に必要な設備や人員、営業所の要件によって、必要資金が変わる場合もあります。
創業融資を申し込む前に、事業開始に必要な許認可や届出を確認しておくことが重要です。
行政書士などへ相談する場合は早い段階がおすすめ
創業融資では、事業計画と許認可、補助金などを同時に検討するケースがあります。
特に、
創業融資を利用したい
補助金も検討したい
許認可が必要な事業を始めたい
どのくらい自己資金を準備すればよいか分からない
といった場合は、開業直前ではなく計画段階から相談する方が進めやすくなります。
行政書士へ相談することで、事業計画や必要書類の整理に加え、創業に必要な許認可や利用できそうな補助制度も確認しやすくなります。
10. まとめ
山梨県でこれから事業を始める場合、日本政策金融公庫の創業向け融資は有力な資金調達方法の一つです。
創業前や創業後間もない段階では、まだ十分な決算実績がありません。
そのため、創業融資では、過去の業績だけでなく、創業者の経験、事業内容、自己資金、必要資金、売上・利益の見込みなどをもとに審査されます。
特に重要なのが創業計画書です。
創業の動機や商品・サービスを書くだけではなく、誰に何を販売するのか、どのくらい売れるのか、なぜその売上を実現できるのかまで具体的に整理する必要があります。
融資希望額についても、「できるだけ多く借りたい」という考え方ではなく、設備資金や運転資金を積み上げて必要額を計算することが重要です。
設備を購入する場合は見積書を用意し、運転資金についても家賃、人件費、仕入など、何か月分必要なのかを具体的に整理しましょう。
自己資金については、一律の最低額だけを見て判断するのではなく、創業準備をどの程度進めてきたかを示す材料として考えることが大切です。
申込直前にまとまった資金を用意するのではなく、創業を考え始めた段階から計画的に貯蓄しておくことで、資金形成の経緯を説明しやすくなります。
また、融資を受けること自体を目標にしてはいけません。
重要なのは、融資を受けた後も事業を継続し、無理なく返済できることです。
売上が計画を下回った場合でも返済できるか、開業後の運転資金が不足しないか、経営者自身の生活費まで確保できるかを確認する必要があります。
山梨県・甲府市で創業する場合は、日本政策金融公庫だけでなく、山梨県や市町村の制度融資、金融機関、信用保証協会などの制度も比較できます。
また、創業時に利用できる補助金があれば、創業融資と組み合わせて資金負担を軽減できる可能性があります。
ただし、補助金は採択されない場合があり、原則として後払いとなる制度も多いため、補助金だけを前提とした資金計画は避けた方が安全です。
さらに、建設業や飲食業、運送業など、営業開始前に許認可が必要となる事業もあります。
許認可を取得できなければ、融資を受けても予定どおり事業を開始できません。
創業場所や設備を決める前に、必要な許認可や要件についても確認しておくことが重要です。
創業融資は、申請直前に慌てて準備するより、事業を始めようと考えた段階から準備を進めた方が、計画の完成度を高めやすくなります。
山梨県・甲府市で創業を予定しており、創業融資の申請方法や事業計画、必要書類、補助金、許認可などについて判断に迷う場合は、日本政策金融公庫や金融機関、行政書士などへ早めに相談し、無理のない資金計画を作ることをおすすめします。


