外国籍の方が相続人になる…相続手続
- 5月29日
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更新日:4 日前

日本への移住者増加による国際結婚、日本の方が海外移住するケースの増加に伴い、相続人の中に外国籍の方がいる場合があります。
「兄が海外で結婚して、その子どもが外国籍」「妹がアメリカに帰化した」などなど、相続が発生してから初めて、「相続手続きどうしよう?」と気づくことあります。
相続は、被相続人の本国法による
被相続人が日本人であれば、相続人に外国籍の方がいても、日本の民法が適用されます。
相続人の範囲について → 日本の民法による
法定相続分について → 日本の民法による
遺産分割について → 日本の民法による
相続人がアメリカ人でも韓国人でも、被相続人が日本人なら日本法に従って相続手続を進めます。
相続人の相続できる能力については本国法
一方、外国籍の相続人が未成年の場合、何歳で成年に達するかなど、単独で遺産分割協議ができるかなどの判断は、その相続人の本国法が適用されます。そう、相続人が相続できる能力については、その相続人の本国法で判断します。
外国籍相続人がいる場合の問題点
被相続人が日本人であれば日本法が適用されるといっても、様々な問題が発生します。
問題点1)印鑑証明書について
日本では、遺産分割協議書に相続人全員の実印での押印と印鑑証明書の添付が必要です。
しかし、外国籍で海外に居住している方は、日本の印鑑登録制度を利用できないので、印鑑証明をどうするかが問題となります。
問題点2)戸籍に記載について
相続登記では、相続人が誰であるかを戸籍謄本で確認、証明します。
しかし、外国籍の相続人は日本の戸籍に記載されないため、相続関係をどのように証明するか問題となります。例えば、下記のケースはその代表例です。
「外国人と結婚し、その子が外国籍で出生した」「外国に帰化」など、このケースだと、日本の戸籍だけでは相続人の範囲を証明できず、別の対応が必要になってきます。
問題点3)海外在住の方との連絡・書類のやり取りについて
海外居住の相続人とは、距離・翻訳・時差・習慣の問題もあり、連絡や書類のやり取りに時間がかかります。郵送も国際郵便となり、通常の相続手続よりも長期間を要することが多いです。
外国籍相続人がいる場合の対応策
印鑑証明書の代わりにサイン証明(署名証明)
外国籍で印鑑証明書が取得できない場合、サイン証明(署名証明)で代用します。
サイン証明とは、本人が領事や公証人の面前で署名し、その署名が本人のものと証明して貰う書類です。
取得場所は、海外在住の日本人の方は、日本大使館や領事館、日本在住の外国籍の方なら、本国の大使館や領事館、または公証人役場、海外在住の外国籍の方は、海外現地の公証人で取得することになります。
戸籍に記載されていない場合の代わりに宣誓供述書
外国籍の相続人が日本の戸籍に記載されていない場合、宣誓供述書(Affidavit)を作成して相続関係を証明します。その内容は、「本人の氏名、生年月日、国籍、住所」「被相続人との続柄(親子関係、代襲相続の場合はその経緯)」「他に相続人がいないこと(または相続人の範囲)」「真実であることの宣誓」となります。宣誓供述書の作成方法については、①本人が宣誓供述書を作成 ②現地の公証人または在外公館で認証をうけることになります。宣誓供述書は、戸籍で証明できない部分の補完のために使用されます。例えば、代襲相続の場合で「日本人の被代襲者の子が外国籍」の場合、被代襲者の死亡は日本の戸籍で証明できますが、その子(代襲相続人)については戸籍に記載が無く、代襲相続人本人が宣誓供述書で「自分が唯一の子である」等を宣誓します。
総括として
① 書類の準備に時間がかかる
海外との書類のやり取りは、国際郵便で数週間かかることがあります。また、現地の公証人の予約が必要な場合もあります。相続放棄や相続税の申告等の期限があるため、早めに準備を開始しましょう。
② 翻訳は必須
外国語で作成された書類は、すべて日本語訳を添付する必要があります。翻訳は相続人本人や依頼を受けた専門家が行うことができますが、翻訳者の署名・押印が必要です。
③ 国によって制度が異なる
サイン証明や宣誓供述書の取得方法は、国によって異なります。事前に在日本の大使館などに確認しましょう。
④ 行政との事前相談
外国籍相続人がいる場合、必要書類について事前に管轄法務局などに相談し、必要書類を確認しましょう。それぞれのケースで求められる書類が異なる場合があります。


