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【外国人雇用】企業が知っておくべき手続きと注意点

8月15日
読了時間: 28分
外国人雇用で知っておきたい在留資格、必要な手続き、企業側の義務、不法就労の注意点、採用後の管理まで行政書士が詳しく解説。外国人採用を検討する企業もぜひご覧ください。


▼目次



1. 外国人雇用とは?まず知っておきたい基礎知識


外国人雇用では「在留資格」の確認が重要

外国人雇用で最初に理解しておきたいのが「在留資格」です。

在留資格とは、外国人が日本に滞在し、一定の活動を行うための法的な資格です。

一般的には「ビザ」と呼ばれることもありますが、外国人を採用する企業にとって特に重要なのは、その外国人が日本でどのような活動を認められているかという点です。

在留資格によって、日本でできる仕事の範囲が異なります。


例えば、技術者や通訳、海外取引など一定の専門的な仕事に就く外国人と、特定技能として働く外国人では、必要となる在留資格や認められる仕事内容が異なります。

そのため、企業が外国人を採用するときは「外国人だから特別な採用手続きをする」というより、「この人の在留資格で、当社が予定している仕事ができるのか」を確認することが重要です。


外国人だからといって全員に就労制限があるわけではない

外国人の中には、仕事内容について比較的広く就労が認められている在留資格を持つ人もいます。

例えば、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」などの身分・地位に基づく在留資格では、原則として就労する職種に大きな制限はありません。

一方、「技術・人文知識・国際業務」や「技能」「特定技能」などは、在留資格ごとに認められた活動の範囲内で働く必要があります。

ここを混同すると、

「日本に住んでいる外国人だから採用できる」

という誤った判断につながります。


企業側は国籍だけで判断するのではなく、在留カードなどを確認して、その人がどのような在留資格を持っているのかを確認する必要があります。


正社員だけでなくアルバイトでも確認が必要

外国人雇用というと、正社員として海外人材を採用するケースをイメージする方も多いでしょう。

しかし、在留資格の確認が必要なのは正社員だけではありません。

アルバイトやパートとして外国人を採用するときにも確認が必要です。


代表的なのが留学生です。

「留学」の在留資格は、本来、日本で教育を受けるためのものです。

そのため、留学生がアルバイトをする場合には、原則として「資格外活動許可」を受ける必要があります。

資格外活動許可を受けていたとしても、働ける時間などには制限があります。

企業側がこのルールを知らずに長時間働かせてしまうと、問題になる可能性があります。


外国人雇用で企業が確認すべき3つのポイント

外国人を採用するときは、少なくとも次の3点を確認しましょう。

・どの在留資格を持っているのか

・その在留資格で予定している仕事ができるのか

・在留期間がいつまでなのか

特に注意したいのが、在留資格の名称だけで判断しないことです。


実際の仕事内容や本人の学歴・職歴などによって、就労できるかどうかの判断が必要になるケースがあります。


行政書士から見た実務上のポイント

外国人雇用のご相談では、「採用したい人が決まってから相談する」という企業も少なくありません。

しかし、採用を決定した後に確認すると、予定していた仕事内容では就労できないことが判明する場合があります。

その場合、仕事内容を変更したり、在留資格変更の手続きを行ったりする必要があり、入社予定日に間に合わなくなることも考えられます。


外国人採用では、内定を出してから確認するのではなく、採用選考の段階で在留資格と仕事内容の適合性を確認しておくことが重要です。



2. 外国人を雇用する前に確認すべき在留資格


まず在留カードを確認する

日本に中長期間在留する外国人を採用する場合、企業側が最初に確認したいのが在留カードです。

在留カードには、

・氏名

・在留資格

・在留期間

・就労制限の有無

など、外国人を雇用するうえで重要な情報が記載されています。

特に確認したいのが「就労制限の有無」の欄です。

外国人本人から「働けます」と説明を受けただけで判断せず、企業側でも在留カードの内容を確認しましょう。


在留資格と仕事内容が一致しているか確認する

外国人雇用では、在留資格を持っていることだけでは不十分です。

重要なのは、「その在留資格で、自社が任せようとしている仕事内容が認められるか」です。

例えば、就労系の在留資格として代表的な「技術・人文知識・国際業務」では、一定の専門性を必要とする業務が対象となります。


システムエンジニア、機械設計、通訳・翻訳、海外取引業務などが代表的な例です。

一方で、単純作業を中心とする業務については、この在留資格では認められない可能性があります。

職種名だけでなく、実際に毎日どのような仕事を担当するのかまで確認することが重要です。


留学生をアルバイトで雇用するときの注意点

飲食店や小売店などでは、外国人留学生をアルバイトとして採用するケースも多くあります。

この場合、資格外活動許可を受けているか確認しましょう。

また、資格外活動許可があれば無制限に働けるわけではありません。

原則として週28時間以内など、一定の就労時間制限があります。


複数のアルバイトを掛け持ちしている場合は、それぞれの勤務先で28時間働けるわけではなく、原則として勤務時間を合計して考える必要があります。

自社での勤務時間だけを確認していると、知らないうちに上限を超えてしまう可能性があります。


転職してきた外国人にも注意する

すでに日本で働いている外国人を中途採用する場合にも注意が必要です。

「前の会社で働けていたから、当社でも問題ないだろう」

とは限りません。

同じ在留資格を持っていても、転職前と転職後で仕事内容が大きく異なれば、新しい会社で予定している仕事が現在の在留資格に該当するか確認する必要があります。

判断が難しい場合には、「就労資格証明書」の活用を検討する方法もあります。

就労資格証明書は、その外国人が行うことができる就労活動を法務大臣が証明する文書です。

転職後の仕事内容が現在の在留資格の範囲に含まれるか不安な場合に、判断材料の一つとなります。


在留期間の残りも確認する

在留資格だけでなく、在留期間も確認しておきましょう。

在留期間の満了日が近い場合には、在留期間更新許可申請が必要になります。

採用直後に更新期限を迎えることが分かれば、企業側で必要となる資料を早めに準備できます。

外国人本人だけに管理を任せるのではなく、企業側でも在留期限を把握しておくと安心です。


行政書士から見たよくある失敗

実務上注意したいのが、「在留カードを確認したから大丈夫」と考えてしまうことです。

在留カードに就労可能と読み取れる記載があっても、予定している具体的な仕事内容まで無条件に認められるとは限りません。


外国人を採用する際には、

「何の在留資格を持っているか」

だけでなく、

「当社で何の仕事をしてもらうのか」

までセットで確認することが重要です。



3. 外国人を雇用するときに必要な手続き


海外にいる外国人を採用する場合

海外在住の外国人を日本へ呼び寄せて雇用する場合、一般的には在留資格認定証明書の交付申請から手続きを進めます。

在留資格認定証明書とは、日本で予定している活動が在留資格の要件に適合していることを事前に審査してもらうための証明書です。


例えば海外在住のエンジニアを日本企業が採用する場合には、雇用契約や仕事内容、本人の学歴・職歴、企業の状況などをもとに申請を行います。

交付後は、原則として外国人本人が在外公館で査証(ビザ)の申請を行い、日本へ入国する流れになります。

そのため、海外から外国人を採用する場合は、内定を出してすぐに日本で勤務開始できるわけではありません。

採用時期から逆算して手続きを進める必要があります。


日本にいる外国人を採用する場合

すでに日本に住んでいる外国人を採用する場合は、その人が現在持っている在留資格によって必要な手続きが変わります。

現在の在留資格のまま新しい会社で働ける場合もあれば、在留資格変更許可申請が必要になる場合もあります。

例えば、留学生が大学などを卒業して日本企業へ就職する場合には、「留学」から就労可能な在留資格への変更が必要になるのが一般的です。

一方、すでに就労可能な在留資格を持つ外国人が転職する場合には、必ずしも在留資格そのものを変更するとは限りません。

重要なのは、現在の在留資格と新しい仕事内容を個別に確認することです。


外国人雇用状況の届出も忘れない

外国人を雇用した事業主には、外国人雇用状況の届出が必要となる場合があります。

外国人の氏名、在留資格、在留期間などを確認し、雇入れや離職の際に届け出ます。

雇用保険の被保険者となる外国人については、雇用保険の手続きとあわせて行う形が基本となります。

外国人を採用すると入管関係の手続きばかりに目が向きがちですが、企業側の雇用関係の届出も忘れないようにしましょう。


社会保険や労働保険も日本人と同様に確認する

外国人だから社会保険に加入しなくてよい、というわけではありません。

健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険などについて、それぞれの加入要件を満たす場合には、日本人従業員と同様に適切な手続きを行う必要があります。


また、最低賃金や労働時間、残業代、有給休暇などの労働関係法令についても、外国人労働者だから適用されないということはありません。

国籍を理由として不当に低い賃金を設定するといった扱いはできません。


採用から勤務開始までの流れを整理しておく

外国人を雇用するときは、採用する人の状況によって手続きが変わります。

そのため、まず次の順番で確認するとわかりやすくなります。

・現在、日本にいるのか海外にいるのか

・現在の在留資格は何か

・自社で担当してもらう仕事内容は何か

・在留資格の変更や認定証明書の申請が必要か

・在留期間はいつまでか

・雇用後に必要な届出は何か

この順番で整理すると、「採用したものの働けない」というトラブルを防ぎやすくなります。


行政書士から見た実務上の注意点

外国人雇用では、企業側が「入社日」を先に決めてしまうケースがあります。

しかし、在留資格の変更や在留資格認定証明書の交付には審査があり、希望した日までに必ず許可されるとは限りません。


特に海外から外国人材を採用する場合は、入管での手続きだけでなく、その後の査証申請や来日準備も必要です。

「来月から人手が必要だから外国人を採用しよう」と考えても、すぐに勤務を開始できるとは限りません。

採用計画を立てる段階から在留資格を確認し、余裕を持ったスケジュールで手続きを進めることが、外国人雇用を成功させる重要なポイントです。



4. 外国人を雇用する企業側の要件と義務


外国人を雇用する場合、企業側にもさまざまな確認や対応が求められます。

「在留資格の申請は外国人本人がするものだから、会社は関係ない」と考えてしまうと、採用後に問題が発生する可能性があります。

外国人雇用では、採用時だけでなく、雇用期間中も適切な管理を続けることが重要です。


在留資格と仕事内容を適切に管理する

企業側が特に注意したいのが、実際の仕事内容です。

外国人が就労系の在留資格で働いている場合、その在留資格で認められている範囲内の仕事を担当してもらう必要があります。

例えば、専門的な業務を行うことを前提として在留資格を取得したにもかかわらず、入社後は単純作業ばかり担当している場合、問題となる可能性があります。

「忙しい部署を一時的に手伝ってもらっただけ」というケースでも、業務内容によっては注意が必要です。


採用時だけではなく、配置転換や担当業務を変更するときにも、在留資格との整合性を確認しましょう。


日本人と同様に労働関係法令を守る

外国人労働者にも、日本の労働関係法令が適用されます。

例えば、

・労働基準法

・最低賃金法

・労働安全衛生法

などです。


外国人であることを理由として、最低賃金を下回る給与を設定してよいわけではありません。

また、残業代、有給休暇、休憩時間などについても、基本的には日本人従業員と同様に考える必要があります。

外国人本人が日本の法律や労働制度を十分に理解していない場合もあるため、企業側からわかりやすく説明することも大切です。


雇用条件を明確にする

外国人を採用する場合は、給与、勤務時間、勤務地、仕事内容などの労働条件を明確にしておきましょう。

特に仕事内容は、在留資格の審査でも重要なポイントになります。

求人票には「海外営業」と書いてあったものの、実際にはほとんど別の業務を担当しているといった状態は避けなければなりません。

採用前に予定している仕事内容を具体的に整理しておくことが重要です。


在留期間を企業側でも管理する

外国人従業員の在留期間について、本人だけに管理を任せてしまう企業もあります。

しかし、更新を忘れて在留期間を過ぎてしまえば、そのまま働き続けることはできません。

企業側でも在留カードの有効期限を把握し、更新時期が近づいたら本人へ確認できる体制を作っておくと安心です。

例えば、従業員管理表に在留期限を記録しておき、数か月前に確認する運用を行う方法があります。


特定技能では企業側の義務が増える

特定技能外国人を受け入れる場合には、通常の外国人雇用とは異なる要件や義務があります。

特に「特定技能1号」の外国人を受け入れる場合、受入れ企業には外国人が日本で安定して生活・就労できるよう、一定の支援を行うことが求められます。

支援を登録支援機関へ委託するケースもあります。

また、分野によって受入れ要件や必要な手続きが異なるため、一般的な就労ビザと同じ感覚で採用を進めないことが大切です。


行政書士から見た実務上のポイント

外国人雇用では、「採用時には問題がなかったが、その後の仕事内容が変わっていた」というケースに注意が必要です。

企業は事業環境に応じて配置転換を行います。

しかし、外国人従業員の場合には、配置転換後の仕事内容が現在の在留資格で認められる活動なのかという視点が必要になります。


人事担当者だけでなく、外国人従業員を実際に配置する現場責任者にも、在留資格による就労制限があることを共有しておくとトラブル防止につながります。



5. 外国人雇用で特に注意したい法律と禁止事項


外国人雇用では、日本人を採用する場合にはあまり意識しない「入管法」の問題があります。

知らなかったでは済まされない場合もあるため、企業側も最低限のルールを理解しておきましょう。


不法就労をさせないことが最も重要

外国人雇用で企業が特に注意したいのが不法就労です。

代表的なのは、

・在留資格を持っていない外国人を働かせる

・就労が認められていない外国人を働かせる

・認められた活動範囲を超えて働かせる

といったケースです。


不法就労が問題になるのは、外国人本人だけではありません。

企業側も責任を問われる可能性があります。

「本人が働けると言っていたので信用した」という理由だけでは十分とはいえません。

採用する企業側でも在留カードなどを確認することが重要です。


在留カードの確認を怠らない

採用時には在留カードの原本を確認しましょう。

確認したいポイントは、

・在留資格

・在留期間

・就労制限の有無

・資格外活動許可の有無

などです。


特にアルバイトとして留学生や家族滞在の外国人を雇用する場合は、資格外活動許可の確認が重要になります。

在留カードの記載内容だけで判断が難しい場合には、採用前に専門家へ確認することも検討しましょう。


留学生の働かせすぎに注意する

飲食店や小売店などで外国人留学生を採用する場合、特に注意したいのが労働時間です。

資格外活動許可を受けている留学生は、原則として週28時間以内という制限があります。

ここで注意したいのが掛け持ちです。


例えば、自社で週20時間しか働いていなかったとしても、別のアルバイト先で週15時間働いていれば、合計では35時間となります。

企業側からすると把握しにくい部分ですが、採用時や勤務中に本人へ掛け持ち状況を確認するなどの管理が重要です。


「外国人だから」という理由で待遇を下げない

外国人であることを理由に、不当に低い賃金や不利な労働条件を設定することは避けなければなりません。

最低賃金を守ることはもちろん、同じ仕事内容を担当する日本人従業員との待遇についても合理的に説明できる状態にしておくことが重要です。

特に外国人本人が日本の労働法を知らないことを利用して、不適切な条件で働かせることは大きなトラブルにつながります。


在留資格の取得を保証するような採用は避ける

企業が外国人を採用する際、

「必ずビザが取れます」

「申請すれば問題なく許可されます」

といった説明をすることはおすすめできません。

在留資格の許可・不許可を最終的に判断するのは出入国在留管理当局です。

企業側が要件を満たしていると考えていても、審査の結果として希望どおりにならない可能性があります。


雇用契約や入社日の設定についても、在留資格の許可を前提とした条件を整理しておくことが重要です。


行政書士から見た実務上の注意点

企業側に悪意がなくても、不法就労の問題が生じる可能性があります。

特に注意したいのが、

「以前の会社でも同じ仕事をしていたから大丈夫」

「本人が大丈夫と言っている」

「アルバイトだから在留資格は関係ない」

といった判断です。

外国人雇用では、本人から聞いた情報だけでなく、在留カードや実際の仕事内容を企業側でも確認することが重要です。

判断できない場合は、勤務を開始してから問題になる前に確認することをおすすめします。



6. 外国人雇用でよくある失敗例とトラブル


外国人雇用では、採用手続きそのものよりも、事前確認の不足によってトラブルになるケースが少なくありません。

ここでは、企業が特に注意したい代表的な失敗例を紹介します。


採用を決めた後に就労できないことが分かった

よくあるのが、面接や選考を終えて内定を出した後に在留資格を確認するケースです。

外国人本人の経験や人柄を評価して採用を決めたものの、予定している仕事内容では現在の在留資格で働けないことが判明することがあります。

その結果、在留資格変更の手続きが必要になり、予定していた入社日に勤務を開始できないこともあります。


外国人採用では、在留資格の確認を採用手続きの最後に行うのではなく、できるだけ早い段階で行うことが重要です。


職種名だけで判断してしまった

「営業だから大丈夫」

「事務職だから就労ビザが取れる」

といった判断も危険です。

在留資格の審査では、職種名だけではなく実際の仕事内容が確認されます。

同じ「営業職」という名称でも、海外顧客との取引や専門知識を活用する業務と、店舗での商品販売を中心とする業務では内容が大きく異なります。

求人票の肩書きだけで判断せず、実際に担当してもらう仕事を具体的に整理しましょう。


学歴や職歴の確認が不足していた

就労系の在留資格では、外国人本人の学歴や職歴が審査上重要になる場合があります。

企業側では採用したい人材であっても、本人の経歴と予定する仕事内容との関連性などによっては、希望する在留資格が認められない可能性があります。

外国人採用では通常の採用面接だけでなく、卒業証明書や職歴など、在留資格申請に必要となる情報も早めに確認することが大切です。


在留期限を確認していなかった

外国人従業員を採用した後、在留期限の管理を本人だけに任せてしまうケースがあります。

更新時期になってから、

「来月で在留期限が切れることが分かった」

という状況になると、企業側も慌てて必要書類を準備しなければなりません。

更新申請では企業側の資料が必要になる場合もあります。

外国人従業員を雇用したら、在留期限を社内でも管理しておくことをおすすめします。


外国人本人との認識違いによるトラブル

外国人雇用では、言葉や文化の違いから労働条件について認識の違いが生じる場合があります。

例えば、

・給与の計算方法

・残業代

・休日

・仕事内容

・勤務地

などです。


日本人同士であれば「当然伝わっている」と考える内容でも、外国人従業員には正しく伝わっていないことがあります。

雇用条件を書面で明確にし、本人が理解できるよう丁寧に説明することが重要です。


行政書士から見た失敗を防ぐポイント

外国人雇用で問題になりやすいのは、手続きそのものよりも「確認するタイミング」です。

採用後ではなく採用前。

入社後ではなく配置転換前。

在留期限の直前ではなく数か月前。

このように一歩早く確認することで、多くのトラブルを防ぐことができます。

外国人雇用では、問題が起きてから対応するよりも、問題が起きない仕組みを社内に作ることが重要です。



7. 外国人雇用にかかる費用と採用後の管理


外国人雇用では給与以外にも費用がかかる

外国人を雇用する場合も、基本的な人件費の考え方は日本人を採用する場合と大きく変わりません。

給与だけでなく、社会保険料や採用費、教育費などが発生します。

さらに海外から外国人を採用する場合には、

・渡航費

・住居確保に関する費用

・在留資格申請に関する費用

・生活立ち上げの支援費用

などが発生することもあります。


特定技能外国人を受け入れる場合には、支援体制の整備や登録支援機関への委託費用なども検討する必要があります。

単純に「人件費が安いから外国人を採用する」という考え方ではなく、採用から定着まで含めた総コストを考えることが重要です。


在留資格申請にかかる費用

外国人の状況によって、必要となる申請は異なります。

例えば、

・在留資格認定証明書交付申請

・在留資格変更許可申請

・在留期間更新許可申請

・就労資格証明書交付申請

などがあります。


行政書士へ依頼する場合には、これらの申請について行政書士報酬が発生します。

ただし、料金だけで依頼先を決めるのではなく、外国人本人の経歴や企業の仕事内容まで確認したうえで申請を進めてもらえるかを確認することが大切です。


採用後は在留期限を管理する

外国人雇用では、「採用できたら手続き終了」ではありません。

外国人従業員の在留期間には期限がある場合があり、継続して日本で働くためには在留期間更新許可申請が必要になります。

企業側でも、

・氏名

・在留資格

・在留期限

・担当業務

などを管理しておくと安心です。

在留期限の数か月前に確認できる仕組みを作っておけば、更新直前になって慌てることを防げます。


仕事内容が変わった場合にも確認する

採用後に昇進や配置転換を行うこともあります。

その場合、変更後の仕事内容が現在の在留資格で認められている範囲なのか確認しましょう。

特に外国人従業員を別部署へ異動させる場合には注意が必要です。

「正社員だから社内のどの仕事をさせてもよい」とは限りません。

人事異動を決定する前に在留資格との関係を確認する仕組みを作っておくことが重要です。


外国人材の定着まで考える

外国人採用では、入社させることだけでなく、長く働いてもらうことも重要です。

日本での生活に慣れていない外国人の場合、仕事以外にも住居、銀行口座、行政手続きなどで困ることがあります。

企業側がすべて対応する必要があるわけではありませんが、相談できる担当者を決めておくだけでも安心感につながります。


また、日本人従業員とのコミュニケーション不足が離職につながるケースもあります。

外国人側だけに日本の職場へ適応することを求めるのではなく、受け入れる側の社内体制を整えることも重要です。


行政書士から見た実務上のポイント

外国人雇用を継続している企業では、従業員ごとに個別対応するのではなく、社内で管理ルールを決めておくことをおすすめします。


例えば、

・採用時に在留カードを確認する

・担当業務を記録する

・在留期限を管理する

・異動前に在留資格を確認する

・更新時期になったら必要書類を準備する

という流れを決めておけば、担当者が変わっても対応しやすくなります。

外国人雇用では、採用人数が増えてから管理体制を作るよりも、最初の一人を採用する段階からルールを整えておくことが、将来的なトラブル防止につながります。



8. 山梨県で外国人を雇用する企業が知っておきたいポイント


山梨県でも、人手不足への対応や事業拡大を目的として、外国人材の採用を検討する企業が増えています。

製造業、宿泊業、飲食業、建設業、農業など、外国人材が活躍できる分野はさまざまです。

一方で、「人手が足りないから外国人を採用したい」と考えても、希望する仕事を外国人にそのまま任せられるとは限りません。

外国人雇用では、採用する業種や仕事内容と在留資格の関係を最初に確認することが重要です。


山梨県でも仕事内容に合った在留資格の確認が重要

外国人雇用では、会社がどこにあるかだけでなく、実際に外国人がどのような仕事をするのかが重要です。

例えば、同じ会社の中でも、外国人に担当してもらう仕事内容によって適切な在留資格が異なる場合があります。

専門的な知識を活用する業務であれば「技術・人文知識・国際業務」が検討されることがあります。

一方、一定の産業分野で現場業務を担当してもらう場合には、「特定技能」が選択肢になることもあります。

「外国人を採用したい」という段階だけで在留資格を決めるのではなく、

「どの部署で、具体的に何をしてもらうのか」

まで整理したうえで判断することが大切です。


建設業で外国人を雇用するときは特に注意する

山梨県で建設業を営む企業から外国人雇用について相談を受ける場合、特に重要になるのが仕事内容です。

建設会社だからといって、外国人が持っている就労系の在留資格で、すべての建設現場の仕事ができるわけではありません。


例えば、設計や技術的な業務と、建設現場で直接行う作業では、在留資格上の扱いが異なる場合があります。

建設分野では特定技能外国人の受入れも行われていますが、通常の就労系在留資格とは制度や受入れ要件が異なります。

外国人を採用してから仕事内容を考えるのではなく、予定する業務から適切な在留資格を検討することが重要です。


宿泊・飲食・農業などでも制度を確認する

山梨県では観光業や農業なども地域を支える重要な産業です。

こうした業種でも外国人材を採用するケースがありますが、仕事内容によって利用できる在留資格は異なります。

特に特定技能については、対象となる産業分野が定められています。

企業側に求められる受入れ要件や外国人への支援などもあるため、「他社でも外国人を雇っているから自社でも同じ方法で採用できる」と判断するのは避けた方がよいでしょう。

自社の業種、仕事内容、外国人本人の経歴などを個別に確認する必要があります。


外国人本人だけに手続きを任せない

企業からご相談を受ける中で注意したいのが、在留資格に関する手続きを外国人本人だけに任せてしまうケースです。

在留資格の申請では、本人だけでなく、雇用する企業側の情報や仕事内容に関する資料が重要になることがあります。

企業側が仕事内容を十分に整理していないと、申請資料との間に食い違いが生じることも考えられます。

外国人本人と企業が情報を共有しながら準備することが重要です。


採用時期から逆算して準備する

「来月から働いてもらいたい」

「繁忙期までに採用したい」

という企業も多いでしょう。

しかし、在留資格に関する申請には審査があります。

申請すれば希望する日までに必ず許可されるわけではありません。


特に海外から外国人を呼び寄せる場合は、在留資格認定証明書の手続きだけでなく、その後の査証申請や入国準備なども考える必要があります。

外国人採用を検討している場合は、勤務開始予定日から逆算し、できるだけ早い段階で準備を始めましょう。


山梨県の企業からよくある相談

外国人雇用については、

「この仕事内容で就労ビザを取得できますか?」

「留学生を卒業後に正社員として採用したい」

「外国人従業員が転職してくるが、現在の在留資格のままで大丈夫ですか?」

「海外にいる外国人を日本へ呼びたい」

といった相談が考えられます。

外国人雇用では、会社の業種だけで一律に判断することはできません。

外国人本人の在留資格、学歴や職歴、担当する仕事内容、企業側の状況などを総合的に確認することが大切です。



9. 外国人雇用の手続きを行政書士へ依頼するメリット


外国人雇用では、在留資格の判断から申請書類の作成まで専門的な知識が必要になる場面があります。

特に初めて外国人を採用する企業の場合、

「そもそも何から確認すればよいのかわからない」

というケースも珍しくありません。

行政書士へ相談することで、外国人本人だけでなく、企業側の状況も確認しながら必要な手続きを整理できます。


採用前に就労できるか確認できる

行政書士へ早い段階で相談するメリットの一つが、予定している外国人を希望する仕事内容で雇用できる可能性があるかを確認できることです。

外国人本人が現在持っている在留資格だけでなく、

・学歴

・職歴

・保有資格

・予定する仕事内容

・雇用条件

・企業の事業内容

などを確認し、必要となる手続きを整理します。

採用後に「この仕事では働けなかった」と判明するリスクを減らすことにつながります。


必要な在留資格や申請を整理できる

外国人雇用では、状況によって必要な申請が異なります。

海外から外国人を呼び寄せる場合と、日本国内の留学生を新卒採用する場合では、必要な手続きは同じではありません。

また、すでに日本企業で働いている外国人を中途採用する場合には、現在の在留資格と新しい仕事内容の確認が重要になります。


行政書士へ相談することで、

「在留資格認定証明書の申請が必要なのか」

「在留資格変更が必要なのか」

「現在の在留資格のまま働ける可能性があるのか」

などを整理できます。


申請書類を準備する負担を軽減できる

在留資格に関する申請では、外国人本人に関する資料だけでなく、企業側の資料が必要になることがあります。

また、申請書へ単に職種名を書けばよいわけではありません。

実際の仕事内容や本人の経歴との関係などを整理する必要があります。

初めて申請する企業にとっては、何を準備すればよいのか判断するだけでも負担になることがあります。

行政書士へ依頼することで、必要書類を整理しながら申請準備を進めることができます。


不許可リスクを考慮した申請ができる

行政書士へ依頼したからといって、在留資格の許可が保証されるわけではありません。

最終的に許可・不許可を判断するのは出入国在留管理当局です。

しかし、申請前に要件を確認することで、

「そもそも要件を満たしていない状態で申請してしまう」

「仕事内容の説明が不十分だった」

「必要な資料が不足していた」

といった問題を減らすことができます。

特に外国人本人の学歴・職歴と仕事内容の関係について判断が難しい場合は、申請前の確認が重要です。


採用後の更新や変更についても相談できる

外国人雇用は、最初の在留資格が許可されれば終わりではありません。

その後も、

・在留期間の更新

・転職

・配置転換

・仕事内容の変更

などによって確認や手続きが必要になる場合があります。

継続して相談できる行政書士がいれば、外国人従業員の状況が変わった際にも早めに対応できます。


行政書士へ相談するタイミング

おすすめなのは、外国人の採用が完全に決まってからではなく、「採用を検討している段階」です。

候補者の在留資格や経歴、予定する仕事内容を事前に確認できれば、その後の採用計画も立てやすくなります。


特に、

「初めて外国人を採用する」

「海外から外国人を呼びたい」

「留学生を正社員として採用したい」

「現在の在留資格で働けるかわからない」

という場合は、早めに相談することをおすすめします。



10. まとめ


外国人雇用は、人材不足の解消や事業の国際化など、企業にさまざまな可能性をもたらします。

一方、日本人を採用する場合とは異なり、在留資格という重要な確認事項があります。

外国人を採用するときに特に重要なのは、

・在留資格を確認する

・予定する仕事内容で就労できるか確認する

・在留期間を確認する

・必要な在留資格の申請を行う

・雇用後も在留期限や仕事内容を管理する

という点です。


特に注意したいのが、「在留カードを持っている=自由に働ける」というわけではないことです。

在留資格によって認められる活動は異なります。

また、留学生など資格外活動許可を受けて働く外国人には、就労時間などの制限があります。

外国人本人の説明だけで判断せず、企業側でも確認することが大切です。


実務では、

「内定を出してから就労できないことが分かった」

「現在の在留資格ならどんな仕事でもできると思っていた」

「在留期限の直前になって更新が必要なことに気付いた」

「転職前の会社と仕事内容が違うことを確認していなかった」

といったケースが考えられます。


こうしたトラブルの多くは、採用前に在留資格と仕事内容を確認することで防ぎやすくなります。

山梨県・甲府市で外国人雇用を検討している企業も、まずは「どの国の人を採用するか」ではなく、「どのような仕事を担当してもらうのか」を明確にすることから始めましょう。

そのうえで外国人本人の在留資格や学歴、職歴などを確認し、適切な採用方法を検討することが重要です。


「この外国人を採用できるかわからない」

「どの在留資格が必要なのかわからない」

「海外から外国人材を呼び寄せたい」

「留学生を卒業後に正社員として採用したい」

このようなお悩みがある場合は、採用を決定する前に行政書士へ相談することをおすすめします。

外国人本人の状況と企業側の仕事内容を確認しながら、必要な在留資格や手続きを整理することで、安心して外国人雇用を進めることにつながります。

 
 
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