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【経営・管理ビザ】会社設立からビザ取得までの流れを解説

8月28日
読了時間: 40分
経営・管理ビザの取得条件や会社設立、必要書類、申請の流れを行政書士が解説。事業所や資金、事業計画の注意点、山梨県で起業する際に押さえるポイントまでご紹介します。



▼目次



1. 経営・管理ビザとは?まず知っておきたい基礎知識


経営・管理ビザとは

経営・管理ビザとは、日本で貿易その他の事業の経営を行ったり、その事業の管理に従事したりする外国人を対象とする在留資格です。

一般的に「経営管理ビザ」「経営・管理ビザ」と呼ばれています。


例えば、

・日本で会社を設立して事業を経営する

・既存の日本企業の経営に参加する

・日本で行われている事業の管理業務を担当する

といった場合に検討します。

「外国人が日本で会社を作るためのビザ」と説明されることもありますが、会社設立だけが対象ではありません。

重要なのは、日本で実際に事業の経営または管理に従事することです。


会社を設立すれば自動的に取得できるわけではない

経営・管理ビザで最も注意したいのが、

「日本で会社を設立すればビザが取れる」

という認識です。

外国人が株式会社や合同会社を設立することと、経営・管理の在留資格を取得することは別の問題です。

会社登記が完了していても、経営・管理ビザの要件を満たしていなければ許可されない可能性があります。


例えば、会社だけ設立されていて、

「どこで事業を行うのか」

「どのような商品やサービスを提供するのか」

「誰が顧客になるのか」

「どのように売上を作るのか」

などが具体的でなければ、事業の実態や継続性について十分な説明ができません。

会社設立は、経営・管理ビザ取得のための準備の一部と考える必要があります。


「経営」と「管理」では役割が異なる

経営・管理ビザには、大きく分けて「経営」と「管理」の活動があります。

「経営」は、会社の代表者などとして事業方針を決定し、事業を運営する活動です。

一方、「管理」は、事業部門などの責任者として事業を管理する活動を想定しています。

例えば、自分で会社を設立して代表取締役として事業を行う場合は、一般的に「経営」の活動が中心になります。

管理業務に従事する場合には、事業の経営・管理について一定の経験などが求められるため、自ら会社を設立するケースとは確認すべき条件が異なります。


現場作業をするための在留資格ではない

経営・管理ビザは、基本的に事業を「経営・管理」するための在留資格です。

そのため、本人が主として単純な現場作業に従事するような事業形態には注意が必要です。

例えば、飲食店を経営するとします。

経営者として、

・売上や資金の管理

・仕入先との契約

・従業員の採用や管理

・広告や販売戦略の決定

などを行うことは経営活動として考えられます。


一方、経営者本人が営業時間の大半を調理や接客だけに費やしている場合には、

「実際に行っている活動は経営なのか」

という問題が生じる可能性があります。

小規模事業では経営者が現場を手伝うこともありますが、経営・管理ビザでは本人の中心的な活動が何なのかを考える必要があります。


日本国内にいる外国人が変更するケースもある

外国人がすでに日本に在留している場合には、現在の在留資格から「経営・管理」への在留資格変更を検討することがあります。

例えば、日本企業で会社員として働いていた外国人が独立し、自分の会社を設立するケースです。

この場合、

「会社を退職する」

「会社を設立する」

「事務所を確保する」

「事業開始の準備をする」

「経営・管理への変更申請を行う」

といった複数の手続きが関係します。

現在の在留資格で認められている活動範囲にも注意しながら準備を進める必要があります。


海外から日本へ来て起業するケース

海外に住んでいる外国人が、日本で会社を設立して経営・管理ビザを取得するケースもあります。

この場合には、会社設立、事業所確保、資本金の払込み、在留資格認定証明書交付申請などを順番に進める必要があります。

日本国内に住所や協力者がいない外国人の場合、会社設立の準備そのものが難しくなることもあります。

そのため、日本で誰がどの手続きを行うのかまで含めて事前に計画しておくことが重要です。


在留期間には期限がある

経営・管理ビザにも在留期間があります。

そのため、一度許可を取得すれば無期限で日本に在留できるわけではありません。

日本で事業を継続する場合には、在留期間が満了する前に更新手続きを行います。

更新では、会社を設立したという事実だけでなく、実際の事業状況が重要になります。

売上、利益、事業の継続性、経営者としての活動状況などについて確認されることがあります。


行政書士から見た実務上のポイント

経営・管理ビザについて相談を受ける際、最初に確認したいのは、

「資本金を用意できますか」

だけではありません。


実務では、

「何の事業をするのか」

「なぜ日本でその事業をするのか」

「誰に販売するのか」

「どこで事業を行うのか」

「売上をどのように作るのか」

「本人は具体的に何をするのか」

まで確認することが重要です。

会社という「箱」を作ることより、その中で本当に事業を継続できるのかを考えることが経営・管理ビザの出発点です。



2. 経営・管理ビザを取得するための主な条件


経営・管理ビザでは、事業の規模、事業所、事業の継続性、申請者が実際に行う活動など、複数の条件を確認する必要があります。

また、制度改正によって要件が変更されることがあるため、実際に申請する際には必ず最新の基準を確認する必要があります。


日本国内に事業所を確保する

経営・管理ビザでは、日本国内に事業を行うための事業所が確保されていることが重要です。

会社の本店所在地を登記すれば、それだけで十分とは限りません。

実際に、

「その場所で継続して事業を行えるのか」

という点が重要になります。

例えば、事務所として使用できない物件を借りてしまった場合には問題になる可能性があります。


賃貸物件を利用する場合には、契約前に、

・事業用途で利用できるか

・会社名義で利用できるか

・事業を行うための独立したスペースを確保できるか

などを確認しておくことが重要です。


自宅兼事務所は慎重な判断が必要

自宅を会社の本店所在地にして経営・管理ビザを申請したいという相談もあります。

自宅兼事務所が一律に認められないわけではありません。

しかし、居住スペースと事業スペースの区分、物件の使用目的、貸主の承諾など、さまざまな点を確認する必要があります。

会社設立費用を抑えるために自宅を本店所在地として登記した後、

「この物件では経営・管理ビザの事業所として説明が難しい」

と判明すると、別の事務所を契約し直すことにもなりかねません。

物件契約と会社登記の前に確認することをおすすめします。


事業規模に関する要件を満たす

経営・管理ビザでは、事業規模について一定の基準があります。

この部分は制度改正の影響を受ける重要なポイントです。

以前の情報を参考にして、

「資本金500万円を用意すれば経営・管理ビザが取れる」

と考えるのは危険です。

経営・管理ビザの許可要件は近年見直されているため、資本金・出資額だけでなく、常勤職員、申請者の経歴、日本語能力、事業計画などを含め、申請時点で適用される最新要件を確認する必要があります。

特にインターネット上には改正前の「500万円」という情報が多数残っているため注意しましょう。


資本金は「見せ金」ではいけない

事業資金については、金額だけでなく、

「その資金をどのように準備したのか」

という点も重要です。

例えば、本人が長年働いて貯めた資金であれば、給与収入や預金履歴などから形成過程を説明できます。


親族から資金提供を受けた場合には、誰から、どのような理由で、どのような形で資金を受けたのかを整理する必要があります。

一時的に他人からお金を借りて口座残高だけを作り、申請後すぐ返済するような、いわゆる「見せ金」は避けなければなりません。

事業資金は、実際に事業へ使用できる資金であることが重要です。


事業内容が具体的であること

経営・管理ビザでは、

「会社を設立しました」

だけでは事業の実態を十分に説明できません。


例えば貿易会社なら、

「何を輸出入するのか」

「どこの国と取引するのか」

「仕入先はどこか」

「販売先は誰か」

「利益はどこで生まれるのか」

まで具体化する必要があります。


IT事業であれば、

「どのようなシステムやサービスを提供するのか」

「誰が開発するのか」

「顧客をどう獲得するのか」

などを考えます。

抽象的な事業目的を並べるのではなく、実際に収益を上げる仕組みを説明できることが重要です。


事業の安定性・継続性を説明する

経営・管理ビザは、一時的な事業を行うためのものではありません。

日本で継続して事業を経営できる見込みがあることが重要です。


そのため、事業計画では、

・想定顧客

・商品やサービス

・販売方法

・売上予測

・仕入費用

・家賃

・人件費

・その他の経費

などを具体的に考える必要があります。


例えば、

「1年目の売上は3,000万円を予定しています」

と書くだけでは十分とはいえません。

「1件あたりいくらの商品を、月何件販売することで3,000万円になるのか」

というように、数字の根拠を説明できる計画にすることが重要です。


経営者本人が実際に経営活動を行うこと

申請者本人が代表取締役になっていても、実際には別の人物が会社を経営し、本人はほとんど関与していない場合には問題になります。

役職名ではなく、実際に何を行うのかが重要です。


例えば、

・経営方針の決定

・取引先との交渉

・契約

・資金管理

・従業員管理

・営業戦略の策定

など、経営者としての活動内容を具体的に説明できるようにします。


管理者として申請する場合には経験にも注意する

自ら事業を開始する「経営」ではなく、企業の「管理」に従事する場合には、経営または管理について一定の実務経験などが求められます。

大学院で経営・管理に関する科目を専攻した期間が考慮される場合もあります。

また、日本人が同じ管理業務に従事する場合と同等額以上の報酬を受けることなども確認する必要があります。

自分で会社を設立して経営者になるケースと、既存企業の管理職として来日するケースを混同しないようにしましょう。


行政書士から見た実務上のポイント

経営・管理ビザでよくある失敗が、「形式的な要件だけ」を先に整えてしまうことです。

会社を登記し、物件を借り、資金を入れた後で事業計画を考えるのでは遅い場合があります。

理想的なのは、

「どんな事業を行うのか」

「その事業にはどのような事務所や設備が必要か」

「どの程度の資金・人員が必要か」

「どのような会社を設立するか」

という順番で考えることです。

経営・管理ビザを目的として会社を設立する場合には、登記前から在留資格の要件を意識することが重要です。



3. 経営・管理ビザ取得のための会社設立方法


経営・管理ビザを取得するために新しく会社を設立する場合、株式会社または合同会社を選択するケースが一般的です。

ただし、会社を設立すること自体と、経営・管理ビザの許可を受けることは別です。

会社設立の段階から、ビザ申請まで逆算して準備しましょう。


まず事業内容を決める

会社設立で最初に考えたいのは、会社名ではなく事業内容です。

「何を売る会社なのか」

「誰がお客様なのか」

「どのように利益を出すのか」

を具体化します。


例えば中古車輸出事業であれば、

「日本国内で中古車を仕入れ、海外の販売業者へ輸出する」

という基本的なビジネスモデルを作ります。

そのうえで、仕入方法、輸出先、販売先、物流、必要な許認可などを確認します。


許認可が必要な事業か確認する

事業内容によっては、会社を設立するだけでは営業を開始できません。

例えば、

・飲食店

・中古品販売

・旅行業

・建設業

・不動産業

などでは、事業内容によって行政上の許可や届出が必要になることがあります。

経営・管理ビザを申請する段階で、事業開始に必要な許認可の準備状況が重要になる場合もあります。

「会社を作ってから必要な許可を調べる」のではなく、事業計画の段階で確認しておきましょう。


株式会社と合同会社のどちらにするか決める

日本で会社を設立する場合、株式会社または合同会社を選択するケースが多くあります。

株式会社は社会的な認知度が高く、株式によって出資関係を管理します。

合同会社は株式会社と比べて設立手続きが簡素で、設立費用を抑えやすい特徴があります。

経営・管理ビザについて、

「株式会社でなければ取得できない」

というわけではありません。

重要なのは会社形態よりも、実際に事業を経営できる状態が整っているかどうかです。


会社の基本事項を決める

会社設立では、

・商号

・本店所在地

・事業目的

・資本金

・役員

・事業年度

などを決めます。

特に経営・管理ビザを予定している場合には、「本店所在地」と「事業目的」に注意しましょう。

本店所在地として登記できても、経営・管理ビザの事業所として適切とは限りません。

また、定款の事業目的と実際に行う事業内容が大きく異なることがないようにします。


事業所を契約する

事業所を借りる場合には、契約内容を確認します。

特に、

「居住用としてしか使用できない」

「法人登記は禁止」

「事業利用は禁止」

といった物件を契約すると問題になる可能性があります。

賃料が安いという理由だけで決めず、実際に予定する事業を行える物件か確認しましょう。

飲食店や店舗型事業の場合には、営業許可や用途など別の問題もあります。


資本金を準備する

会社設立では、出資者が資本金を払い込みます。

経営・管理ビザを前提とする場合には、単に払込みが完了したことだけでなく、資金形成の経緯を説明できるようにしておくことが重要です。

例えば自分の預貯金を使うのであれば、

「どのように貯蓄したのか」

が確認できる資料を残しておきます。

海外から日本へ資金を送金する場合にも、送金記録などを保存しておきましょう。


定款作成・認証・設立登記を行う

株式会社の場合には、定款を作成し、公証人による認証などの手続きを行ったうえで設立登記を行います。

合同会社では定款認証は不要ですが、定款作成や設立登記は必要です。

なお、会社の設立登記そのものは司法書士の業務領域となるため、行政書士へ経営・管理ビザを依頼する場合でも、必要に応じて司法書士と連携して進めることがあります。


設立後の各種手続きを行う

会社は登記が完了すればすべて終わりではありません。

税務署などへの届出、社会保険関係の手続き、銀行口座、必要な営業許可など、事業開始に向けた準備があります。

経営・管理ビザ申請では、

「登記簿上だけ存在する会社」

ではなく、

「実際に事業を開始できる会社」

として準備していくことが重要です。


行政書士から見たよくある失敗例

会社設立後に相談を受けた際、

「すでに自宅住所で会社を登記しました」

「事務所はまだありません」

「事業内容はこれから決めます」

という状態になっていることがあります。

この場合、ビザ申請に向けて会社設立の内容や事業所を見直さなければならないことがあります。

経営・管理ビザを目的に会社を設立するなら、

「会社設立→ビザを考える」

ではなく、

「ビザ要件を確認→事業計画→会社設立→申請」

という順番を意識することが重要です。



4. 経営・管理ビザ申請で必要になる書類


経営・管理ビザ申請では、申請者本人の書類だけでなく、会社や事業の実態を証明する資料を多数準備します。

必要書類は、これから新しく会社を設立するのか、既存会社を経営するのか、海外から来日するのか、日本国内で在留資格を変更するのかなどによって異なります。


申請者本人に関する書類

申請方法に応じて、

・在留資格認定証明書交付申請書

・在留資格変更許可申請書

・写真

・パスポート

・在留カード

などを準備します。

海外から日本へ来る場合と、すでに日本にいる外国人が在留資格を変更する場合では使用する申請書が異なります。


会社の存在を証明する書類

新しく法人を設立した場合には、

・登記事項証明書

・定款

など、会社の基本情報を確認できる資料を準備します。

会社名、所在地、資本金、役員、事業目的などが、実際の申請内容と一致していることを確認しましょう。


事業所を証明する書類

経営・管理ビザでは、事業所の実態を説明する資料が重要です。

例えば、

・賃貸借契約書

・事業所の写真

・建物に関する資料

・事業所内の設備がわかる資料

などを準備することがあります。

写真についても、建物の外観だけではなく、

「ここで実際に事業を行える」

とわかる状態にしておくことが重要です。

事業内容によって必要な設備は異なります。


事業計画書

経営・管理ビザ申請で特に重要な資料の一つが事業計画書です。

新設会社には過去の決算実績がありません。

そのため、

「この会社が本当に継続して事業を行えるのか」

を判断するために、事業計画の具体性が重要になります。


事業計画書では、

・事業内容

・商品やサービス

・市場や顧客

・仕入先

・販売先

・販売方法

・競合

・経営者の経験

・売上計画

・経費計画

・利益計画

・人員計画

などを整理します。


売上予測には根拠が必要

事業計画書でありがちな失敗が、

「1年目売上5,000万円」

「2年目売上1億円」

という数字だけを記載することです。

大切なのは、その数字の根拠です。

例えば月額10万円のサービスを販売するなら、

「月10社と契約するため年間売上1,200万円」

というように計算できます。

さらに、

「どうやって10社を獲得するのか」

まで説明できれば、計画の具体性が高まります。

売上予測は希望を書くのではなく、ビジネスモデルから積み上げることが重要です。


取引先や仕入先に関する資料

すでに取引予定の企業がある場合には、事業の具体性を説明する重要な材料になります。

例えば、

・契約書

・見積書

・発注書

・基本合意書

・取引に関するメール

などです。

まだ営業開始前で契約がない場合でも、市場調査や営業計画などによって、どのように顧客を獲得する予定なのかを説明します。

架空の契約書などを作成することは当然避けなければなりません。


資本金・事業資金に関する資料

事業資金については、実際に資金が存在することだけでなく、その形成過程を説明する資料が重要になる場合があります。


例えば、

・預金通帳

・銀行取引履歴

・海外送金記録

・給与収入を確認できる資料

・資金提供者との関係を示す資料

などです。

突然大きな金額が口座へ入金されている場合には、

「このお金はどこから来たのか」

を説明できるようにしておきましょう。


許認可に関する資料

事業を行うために許認可が必要な場合には、その取得状況を確認できる資料も重要です。

例えば飲食店、中古品販売、建設業など、事業によって必要な手続きは異なります。

許認可がなければ事業を開始できないにもかかわらず、

「許可について何も準備していない」

という状態では、事業開始の現実性に疑問を持たれる可能性があります。


従業員に関する資料

従業員を雇用する場合には、

・雇用契約書

・労働条件を確認できる資料

・社会保険関係資料

などが必要になることがあります。

また、経営・管理ビザの事業規模に関する要件との関係で、常勤職員の雇用状況が重要になる場合があります。

名義上だけ従業員を置くのではなく、実際の雇用関係と業務内容が必要です。


経歴や日本語能力などを示す資料

申請者の役割や適用される要件によっては、学歴、職歴、経営・管理経験などを証明する資料が必要になります。

また、近年の経営・管理ビザの要件見直しでは、日本語能力を含む人的体制も重要な確認事項となっています。

卒業証明書、在職証明書、日本語能力を示す資料など、申請者や事業の状況に応じて準備します。


行政書士から見た実務上の注意点

経営・管理ビザでは、書類を一つずつ個別に見るだけではなく、

「会社全体として話がつながっているか」

を確認することが重要です。

例えば、

事業計画書では「海外向けEC事業」と書いているのに、事務所には商品管理や事業運営に必要な設備がない。

売上計画では年間5,000万円を予定しているのに、その売上を作るための取引先や営業方法が説明されていない。

資本金は用意されているものの、その資金がどこから来たのかわからない。

このような状態では、個々の書類が揃っていても事業全体の説得力が弱くなります。

経営・管理ビザでは、「必要書類を揃えること」だけではなく、事業所、資金、事業計画、申請者の経歴、取引予定などが一つの事業として整合していることを確認することが重要です。



5. 会社設立から経営・管理ビザ取得までの流れ


経営・管理ビザを取得するために会社を設立する場合、会社設立と在留資格申請を別々に考えないことが重要です。

先に会社だけを作ってしまうと、事業所や資本金、事業目的などが経営・管理ビザの要件に合わず、後から修正が必要になることがあります。

基本的には、ビザの要件を確認したうえで、会社設立から事業開始までを逆算して進めます。


①経営・管理ビザの要件を確認する

最初に、申請予定者が経営・管理ビザの要件を満たせるか確認します。

ここで重要なのは、

「会社を作れるか」

ではなく、

「会社を作った後、経営・管理ビザを取得できる状態を作れるか」

という視点です。

事業規模、事業所、申請者の経歴、人的体制、事業計画などについて、申請時点の最新要件を確認します。

経営・管理ビザは近年、要件の見直しが行われています。

インターネット上に残っている古い情報だけを参考にせず、会社設立前に最新基準を確認することが重要です。


②事業内容とビジネスモデルを決める

次に、

「日本で何の事業をするのか」

を具体的に決めます。

例えば、「貿易業をする」というだけでは十分ではありません。

・何を仕入れるのか

・どこから仕入れるのか

・誰に販売するのか

・国内販売なのか輸出なのか

・1件あたりどの程度の売上になるのか

・どのように顧客を獲得するのか

まで考えます。

経営・管理ビザのために事業計画を作るのではなく、本当にその会社で事業を継続できるかを考えることが重要です。


③必要な許認可を確認する

事業内容によっては、営業を開始するために許認可が必要です。

例えば、

・飲食店営業

・中古品販売

・建設業

・宅地建物取引業

・旅行業

などです。


必要な許認可を取得できない物件や事業体制では、会社を設立しても予定していた事業を開始できません。

特に店舗型事業では、物件を契約した後に営業許可の要件を満たせないことが判明すると、大きな損失につながります。

経営・管理ビザだけではなく、事業そのものに必要な許認可まで同時に確認しましょう。


④事業所を探す

事業内容が決まったら、事業を行うための場所を確保します。

賃貸物件の場合には、

・事業利用が認められているか

・法人名義で契約できるか

・予定する事業を実際に行えるか

・独立した事業スペースがあるか

などを確認します。

「会社登記ができる物件」と「経営・管理ビザの事業所として説明しやすい物件」は必ずしも同じではありません。

家賃だけで決めず、契約前に確認することが重要です。


⑤会社の基本事項を決める

会社を設立する場合には、

・会社名

・本店所在地

・事業目的

・資本金

・役員

・事業年度

などを決定します。

特に事業目的については、実際に行う予定の事業が含まれているか確認しましょう。

許認可が必要な事業では、定款の目的に一定の記載が求められる場合もあります。

後から目的変更の登記が必要にならないよう、事前に整理することが大切です。


⑥資本金・事業資金を準備する

事業計画に基づいて、必要な資金を準備します。

ここで注意したいのは、資本金だけを考えないことです。

会社設立後には、

・事務所の家賃

・保証金

・設備費

・仕入代金

・広告費

・人件費

・専門家への費用

などが発生します。


資本金をほとんど会社設立や物件契約で使い切り、その後の運転資金が残っていない状態では、事業の継続性という点でも問題になります。

また、資金形成の経緯を説明できるよう、預金履歴や送金記録などを残しておきましょう。


⑦会社を設立する

会社の基本事項が決まったら、定款作成や資本金の払込みなどを行い、法務局で設立登記を行います。

株式会社と合同会社では設立手続きが異なります。

なお、会社の設立登記を代理することは司法書士の業務です。

行政書士へ経営・管理ビザを依頼する場合には、必要に応じて司法書士など他士業と連携して会社設立を進めるケースがあります。


⑧事業を開始できる状態まで準備する

会社が登記されたら、経営・管理ビザ申請に向けて事業実態を整えます。

例えば、

・事務所の机やパソコンなどを準備する

・会社名を表示する

・電話やインターネット環境を整える

・取引先との交渉を進める

・ホームページを作成する

・必要な営業許可を取得する

などです。


事業内容によって必要な準備は異なります。

登記事項証明書だけではなく、「実際にこの場所で事業を始められる」と説明できる状態を作ることが重要です。


⑨事業計画書と申請書類を作成する

会社の準備と並行して、経営・管理ビザの申請書類を作成します。

特に新設会社の場合には過去の決算実績がないため、事業計画書が重要になります。

事業計画では、「売上が増える予定です」ではなく、

「誰に、何を、いくらで、どの程度販売するのか」まで具体化します。

売上だけではなく、仕入、人件費、家賃などの経費も計算し、事業として成立する計画になっているか確認します。


⑩経営・管理ビザを申請する

海外にいる外国人が日本で会社経営を始める場合には、一般的に在留資格認定証明書交付申請を行います。

すでに日本に別の在留資格で在留している場合には、経営・管理への在留資格変更許可申請を検討します。

申請後、必要に応じて追加資料の提出を求められることがあります。


行政書士から見た実務上のポイント

経営・管理ビザでは、会社設立そのものより「設立する順番」が重要です。

実務上避けたいのは、

「会社を作った」

「安い物件を借りた」

「後から経営・管理ビザを調べた」

「事業所として説明が難しいことが判明した」

というケースです。

会社設立前にビザ、許認可、物件、資金、事業計画を一度まとめて確認することで、やり直しのリスクを減らせます。



6. 経営・管理ビザの審査期間と申請するタイミング


経営・管理ビザは、会社を設立すればすぐに許可されるものではありません。

申請後には、事業所、事業規模、事業内容、事業計画、申請者の活動内容などについて審査が行われます。

そのため、事業開始予定日から逆算して準備することが重要です。


審査期間は申請内容によって異なる

経営・管理ビザの審査期間は、海外から申請するのか、日本国内で在留資格を変更するのかなどによって異なります。

また、申請時期や個別事情によっても変わります。

新設会社の場合には、既存企業のような決算実績がありません。

そのため、事業計画や事業開始準備などから、事業の具体性や継続性を確認されることになります。

審査期間については、申請時点で出入国在留管理庁が公表している最新情報を確認しましょう。


会社設立にかかる期間も考える

経営・管理ビザのスケジュールを考える際には、入管での審査期間だけを見てはいけません。

その前に、

・事業計画の作成

・事業所探し

・賃貸借契約

・資本金の準備

・定款作成

・会社設立登記

・許認可取得

・事務所設備の準備

などがあります。

海外から起業する場合には、これらの準備を日本国内でどのように進めるのかも考える必要があります。


物件探しは余裕を持って行う

経営・管理ビザで時間がかかりやすい準備の一つが事業所です。

希望する地域ですぐに適切な物件が見つかるとは限りません。

さらに、外国人経営者や設立直後の法人の場合、物件の審査に時間がかかることもあります。

飲食店などの場合には、ビザだけではなく営業許可や設備要件も確認しなければなりません。

「来月申請したいから今週中に事務所を決める」と急ぐより、事業内容に合った物件を慎重に選ぶことが重要です。


現在の在留期限が近い場合は注意する

すでに日本に在留している外国人が経営・管理へ変更する場合には、現在の在留期限を確認しましょう。

会社設立の準備に時間をかけているうちに、現在の在留期限が迫ることがあります。

また、現在持っている在留資格で認められている活動と、起業準備として行おうとしている活動の関係にも注意が必要です。

「会社を作ったから今日から自由に経営活動ができる」と自己判断しないようにしましょう。


会社員から独立する場合は退職時期にも注意する

日本企業で働いている外国人が独立する場合、

「先に会社を辞めるべきか」

「経営・管理への変更許可後に辞めるべきか」

と悩むことがあります。

これは現在の在留資格、勤務状況、起業準備の内容などによって判断する必要があります。

先に退職すると収入がなくなり、ビザ申請までの生活にも影響します。

一方、勤務を続けながらどこまで起業準備を進められるかという問題もあります。

退職、会社設立、在留資格変更を一つのスケジュールとして考えましょう。


追加資料の提出も想定する

経営・管理ビザでは、申請後に追加資料を求められる場合があります。

例えば、

・事業所についての追加資料

・資本金の形成過程

・取引予定先との関係

・売上計画の根拠

・申請者の経歴

などです。

追加資料を求められてから初めて準備すると、回答に時間がかかることがあります。

申請時点で、

「この計画について何を質問される可能性があるか」

まで考えて資料を整理しておくことが重要です。


許可前に大きな契約を進めるリスクも考える

経営・管理ビザを取得するためには、一定程度まで事業準備を進める必要があります。

一方、許可が出る前に長期間の賃貸契約や高額な設備投資を行えば、不許可になった場合の経済的負担が大きくなります。

この点は経営・管理ビザ特有の難しさです。

「事業実態を作るための準備」と「不許可になった場合のリスク」の両方を考えて進める必要があります。


行政書士から見た実務上のポイント

経営・管理ビザでは、

「○月に日本へ来たい」

「○月に店をオープンしたい」

という希望から相談が始まることがあります。

しかし、会社設立、物件契約、許認可、ビザ審査まで考えると、短期間では難しい場合があります。

特に店舗型事業では、物件を契約してから内装工事や営業許可が必要になることもあります。

希望する開業日から逆算し、できるだけ早い段階でスケジュールを作ることをおすすめします。



7. 経営・管理ビザが不許可になりやすい主なケース


経営・管理ビザは、会社を設立して資本金を準備しただけで必ず許可されるものではありません。

審査では、

「本当に事業を行うのか」

「事業を継続できるのか」

「申請者が実際に経営・管理を行うのか」

などが確認されます。

ここでは、申請前に特に確認したいポイントを紹介します。


事業所の実態がない

経営・管理ビザでは、日本国内に事業所を確保することが重要です。

例えば、

「住所だけを借りている」

「事業を行うスペースが確認できない」

「事務所として利用できない契約になっている」

といった場合には注意が必要です。

バーチャルオフィスなどを本店所在地として利用できる場合があっても、それだけで経営・管理ビザの事業所要件を満たすとは限りません。

会社登記が可能かどうかと、在留資格上の事業所として認められるかどうかは分けて考えましょう。


自宅兼事務所の説明が不十分

自宅兼事務所を利用する場合も注意が必要です。

例えばワンルームマンションで、

「ここが住居で、ここが会社です」

と説明しても、事業所として独立した実態を説明することが難しい場合があります。

一方、物件の構造や契約内容、事業内容などによっては、自宅と事業所を区分して説明できるケースもあります。

自宅兼事務所については、会社登記を行う前に検討することが重要です。


事業計画が抽象的

新設会社の場合、事業計画は特に重要です。

例えば、

「日本の商品を海外へ輸出します」

「SNSを活用して顧客を増やします」

「将来的に全国展開します」

だけでは、事業が本当に成立するのか判断しにくくなります。

必要なのは、

「何を」

「誰に」

「いくらで」

「どのように販売し」

「どれくらい利益を残すのか」

という具体性です。


売上計画に根拠がない

事業計画書で高い売上を記載すれば審査で有利になるわけではありません。

むしろ、根拠のない数字は計画全体の信頼性を下げる可能性があります。

例えば、設立直後で顧客もいない会社が、

「初年度売上1億円」

と記載するのであれば、それを実現できる具体的な根拠が必要です。

既存顧客、契約予定、過去の事業経験、市場規模、販売単価などから合理的に説明しましょう。


資金の出所を説明できない

事業資金については、その形成過程にも注意が必要です。

例えば申請直前に口座へ大きな入金があり、その理由を説明できない場合、

「本当に本人の事業資金なのか」

という疑問が生じます。

親から資金提供を受けたのであれば、その事実を隠す必要はありません。

誰から、どのような形で資金を受けたのかを正確に整理することが重要です。


資本金を用意しただけになっている

経営・管理ビザについて、

「必要な資本金を用意すれば大丈夫」

と考えるのは危険です。

資金は事業を行うための一要素にすぎません。

十分な資金があっても、

・事業所がない

・事業内容が具体化されていない

・顧客獲得方法がない

・本人が何をするのかわからない

という状態では、事業の実態や継続性について問題になる可能性があります。


必要な許認可を取得できない

飲食店、中古品販売、建設業などでは、事業内容によって許認可が必要です。

例えば、事業計画では飲食店を経営するとしているのに、営業許可を取得できない物件を契約している場合、計画そのものを実現できません。

ビザの条件だけではなく、

「この会社は法律上、本当に予定する事業を行えるのか」

まで確認しましょう。


申請者が経営活動を行っているように見えない

申請者が代表取締役になっていても、実際の仕事内容が経営ではない場合には注意が必要です。

例えば飲食店で、

「本人が毎日調理だけを行う」

という計画であれば、経営・管理というより現場業務が中心に見える可能性があります。

小規模企業では経営者が現場に関わることもありますが、本人が経営者としてどのような意思決定や管理を行うのかを明確にする必要があります。


申請者の経験と事業内容の関係が弱い

例えば、これまで飲食業の経験が全くない人が、突然日本で大規模な飲食事業を始める場合、

「なぜこの事業を成功させられるのか」

という点を説明する必要があります。

経験がないから必ず不許可になるという意味ではありません。

しかし、

・共同経営者に経験がある

・専門人材を採用する

・十分な市場調査をしている

・フランチャイズなどの支援体制がある

といった形で、事業を実現できる根拠を示すことが重要です。


書類同士の内容が矛盾している

経営・管理ビザでは、多くの資料を提出します。

例えば、

定款では「ITコンサルティング」

事業計画書では「中古車輸出」

ホームページでは「飲食店経営」

となっていれば、実際に何をする会社なのかわかりにくくなります。

また、事業計画書の人件費と雇用契約書の給与が一致していないなど、数字の矛盾にも注意が必要です。


「ビザを取るためだけの会社」に見える

経営・管理ビザで最も避けたいのが、会社そのものが在留資格取得のためだけに作られたように見える状態です。

例えば、

・具体的な顧客が想定されていない

・事業所に設備がない

・市場調査をしていない

・事業資金の使途が決まっていない

・経営者自身が事業内容を説明できない

といった状態です。

会社設立登記が完了していることと、本当に事業を経営する準備ができていることは違います。


不許可になった場合は原因を確認する

不許可になった場合、すぐに同じ内容で再申請することはおすすめできません。

まず、

「事業所に問題があったのか」

「事業計画が不十分だったのか」

「資金形成の説明に問題があったのか」

「申請者の活動内容に問題があったのか」

などを整理します。

原因によっては、事業計画の修正だけではなく、物件や会社体制そのものを見直す必要があります。


行政書士から見たよくある失敗例

経営・管理ビザで特に避けたいのは、インターネットで見つけた「必要条件」を一つずつ形式的に満たせば許可されると考えることです。

経営・管理ビザでは、

「会社」

「事業所」

「資金」

「人員」

「事業計画」

「申請者の経歴」

「取引先」

「必要な許認可」

が一つの事業としてつながっている必要があります。


例えば十分な資金を準備していても、顧客が誰なのか説明できなければ事業の継続性に疑問が残ります。

反対に優れた事業アイデアがあっても、適切な事業所や必要な許認可を確保できなければ実現できません。

「ビザのための書類を作る」のではなく、「実際に成立する事業を作り、それを書類で説明する」という考え方が重要です。



8. 自宅兼事務所・赤字・新設会社などで注意するポイント


経営・管理ビザでは、形式上会社が存在しているだけではなく、実際に事業を継続できる状態であることが重要です。

特に、自宅兼事務所、新設会社、赤字会社などは相談が多く、申請前に慎重な確認が必要になります。

これらの事情があるから必ず不許可になるわけではありません。

ただし、通常より丁寧な説明や資料が必要になる場合があります。


自宅兼事務所は一律に認められないわけではない

経営・管理ビザでは、事業所を確保することが重要です。

自宅兼事務所についても、一律に認められないわけではありません。

ただし、

・住居部分と事業部分を区分できるか

・事業用として使用できる契約になっているか

・貸主の承諾があるか

・事業を行うための設備があるか

・実際にその場所で事業を行えるか

などを確認する必要があります。

例えば、ワンルームマンションの一角にパソコンを置いただけで、

「ここが会社の事務所です」

と説明する場合、事業所としての独立性を説明することが難しいケースがあります。


物件契約前に確認することが重要

実務上よくある失敗が、

「家賃を抑えるために先に物件を契約した」

というケースです。

その後に経営・管理ビザについて確認すると、

「この物件では事業所として説明しにくい」

と判明することがあります。

すでに敷金や保証金を支払っていると、別の物件へ移転するだけでも大きな負担です。

経営・管理ビザを予定している場合には、物件契約前に事業所として問題がないか確認することをおすすめします。


バーチャルオフィスだけでは注意が必要

会社設立では、バーチャルオフィスを本店所在地として利用できる場合があります。

しかし、会社登記ができることと、経営・管理ビザの事業所として認められることは別です。

経営・管理ビザでは、実際に継続して事業を行うための場所が重要です。

住所や郵便物の受取サービスだけでは、事業所としての実態を説明することが難しいケースがあります。


新設会社だから不許可になるわけではない

経営・管理ビザでは、新しく会社を設立して申請するケースが多くあります。

そのため、新設会社だからという理由だけで不許可になるわけではありません。

ただし、新設会社には過去の売上や決算実績がありません。

その分、

「本当に事業を継続できるのか」

を判断するために、事業計画の具体性が重要になります。


新設会社では事業計画の根拠を示す

新設会社では、

・市場調査

・競合分析

・仕入先

・販売先

・営業方法

・売上計画

・資金計画

などを具体的に整理します。


例えば、

「山梨県内で外国人向けの旅行サービスを提供する」

という計画であれば、

「どの国の顧客を想定するのか」

「どのような方法で集客するのか」

「どの程度の単価を想定するのか」

「年間どの程度の利用者を見込むのか」

まで考える必要があります。

単なるアイデアではなく、事業として成立する根拠を示すことが重要です。


赤字だから必ず更新できないわけではない

経営・管理ビザ取得後、事業が必ず毎年黒字になるとは限りません。

特に創業初年度は、設備投資や広告費などがかかり、赤字になる会社もあります。

赤字だから直ちに経営・管理ビザの更新ができなくなるわけではありません。

しかし、赤字の原因や今後の改善見込みを説明できることが重要です。


赤字が続いている場合は事業継続性を確認する

一時的な赤字と、継続的に売上がなく債務超過が続いている状態では意味が異なります。

例えば、

・開業時の設備投資による一時的な赤字

・新規顧客獲得のための広告費増加

・一時的な市場環境の悪化

など、合理的な理由があれば説明しやすくなります。


一方、

「売上がほとんどない」

「改善計画がない」

「資金が枯渇している」

という状態では、事業の継続性について疑問を持たれる可能性があります。


売上が少ない場合も理由を整理する

会社設立後、想定していたほど売上が伸びないこともあります。

重要なのは、

「なぜ売上が少ないのか」

「今後どう改善するのか」

を説明できることです。


例えば、

・新規営業の方法を変更する

・新しい取引先と契約する

・商品ラインを追加する

・広告方法を見直す

など、具体的な改善策を考えます。

更新の直前になって急いで説明を作るのではなく、日頃から経営状況を把握しておくことが重要です。


設立後に事業内容を大きく変える場合にも注意する

会社設立時には貿易業を行う予定だったものの、実際には別の事業へ変更することもあります。

事業環境に応じて方向転換すること自体は珍しいことではありません。

ただし、申請時に説明していた事業と実際の事業が大きく異なる場合には、

「現在、何の事業を行っているのか」

を整理する必要があります。

定款の事業目的や必要な許認可なども確認しましょう。


行政書士から見た実務上のポイント

経営・管理ビザでは、

「自宅だからダメ」

「赤字だからダメ」

「新設会社だからダメ」

と一つの事情だけで判断するのは適切ではありません。

重要なのは、その事情を含めても、

「実際に事業が存在し、今後も継続できる状態か」

という点です。

不安な事情がある場合には、それを隠すのではなく、現在の状態と今後の改善策を客観的な資料で説明できるようにしておくことが重要です。



9. 山梨県で経営・管理ビザ申請を行政書士へ依頼するメリット


山梨県で経営・管理ビザを取得して起業する場合も、基本的な在留資格の要件は全国共通です。

一方、実際の事業では地域の市場、物件、許認可、顧客層などを考える必要があります。

行政書士へ相談することで、在留資格だけでなく、会社設立前の事業準備から必要な手続きを整理しやすくなります。


会社設立前にビザ要件を確認できる

経営・管理ビザでは、会社設立後に相談するより、設立前に確認する方がメリットがあります。

例えば、

・予定する物件で問題ないか

・事業規模の要件を満たせるか

・事業内容に許認可が必要か

・会社の事業目的をどう設定するか

・事業計画として不足している点はないか

などを事前に確認できます。

会社を作った後に修正するより、最初からビザ申請を見据えて準備する方が効率的です。


事業所選びについて相談できる

山梨県で会社を設立する場合、甲府市やその周辺など、事業内容に応じてさまざまな地域が候補になります。

しかし、物件が会社登記に利用できるからといって、経営・管理ビザの事業所として適切とは限りません。

特に、

・自宅兼事務所

・シェアオフィス

・小規模オフィス

などを検討している場合には、契約前の確認が重要です。


事業内容に必要な許認可も確認できる

行政書士は、在留資格だけでなく各種許認可を取り扱う場合があります。

例えば、

・飲食店

・古物商

・建設業

・旅館業

・自動車関係事業

など、事業内容によって行政手続きが必要になります。

経営・管理ビザの事業計画が優れていても、必要な営業許可を取得できなければ事業を開始できません。

ビザと許認可を一体的に考えられる点は行政書士へ相談するメリットの一つです。


事業計画を第三者の視点で確認できる

本人にとっては十分具体的な事業計画でも、第三者が読むと、

「誰がお客様なのかわからない」

「売上予測の根拠がない」

「競合との差別化がわからない」

ということがあります。

行政書士へ相談することで、入管審査の視点から事業計画を整理できます。

ただし、行政書士が実態のない事業を作り上げるものではありません。

実際のビジネスモデルをもとに、審査担当者にも理解できる形へ整理することが重要です。


資金形成の説明を整理できる

経営・管理ビザでは、事業資金の形成過程が問題になるケースがあります。

例えば、

「海外の親から資金提供を受けた」

「長年の給与を貯蓄した」

「自国で事業を売却して資金を作った」

など、資金の背景は申請者によって異なります。

行政書士へ相談することで、どのような資料で資金形成を説明するかを整理できます。


司法書士や税理士などとの連携がしやすい

会社を設立して事業を開始する場合、行政書士だけですべての手続きが完結するとは限りません。

例えば、

・会社設立登記は司法書士

・税務や会計は税理士

・社会保険関係は社会保険労務士

など、必要に応じて他士業が関係します。

経営・管理ビザと会社設立を一体として進める場合には、必要な専門家と連携して進めることで、手続き漏れを防ぎやすくなります。


申請取次によって手続きの負担を減らせる

申請取次に対応している行政書士であれば、一定の在留関係手続きについて申請を取り次ぐことができます。

会社設立や開業準備で忙しい経営者にとって、申請手続きの負担を軽減できる点もメリットです。

依頼する場合には、申請取次に対応している行政書士か確認しましょう。


許可取得後の更新についても相談できる

経営・管理ビザは取得すれば終わりではありません。

その後も在留期間更新が必要です。

更新時には、

・実際の売上

・損益状況

・事業の継続性

・従業員の状況

・税金や社会保険

などが重要になります。

会社設立時から継続して相談できる行政書士がいれば、申請時の事業計画と実際の経営状況を比較しながら更新準備を進めやすくなります。


行政書士へ相談するタイミング

経営・管理ビザでは、会社を設立してからではなく、

「日本で起業したい」

と考えた段階で相談することをおすすめします。

特に、

・まだ会社を設立していない

・事業所を契約していない

・資金を海外から送金する予定

・許認可が必要な事業を予定している

・自宅兼事務所を検討している

という場合には、手続きを進める前の確認が重要です。



10. まとめ


経営・管理ビザは、外国人が日本で会社を設立し、事業を経営・管理する際に重要となる在留資格です。

しかし、

「会社を設立する」

「資本金を用意する」

だけで自動的に取得できるものではありません。


申請では、

・実際に事業を行える事業所があるか

・申請時点の事業規模に関する要件を満たしているか

・事業資金の形成過程を説明できるか

・事業計画に具体性があるか

・継続的に売上を上げられる見込みがあるか

・必要な人員体制を整えているか

・申請者本人が実際に経営・管理を行うか

・事業に必要な許認可を取得できるか

など、多くの項目を確認する必要があります。

特に注意したいのが、会社設立を先に進めてしまうことです。


実務では、

「会社を登記した後に事業所として問題があることがわかった」

「自宅で申請できると思っていた」

「資金は用意したが形成過程を証明できない」

「事業計画の売上に根拠がない」

「営業許可が必要なことを会社設立後に知った」

といったケースに注意が必要です。


経営・管理ビザを前提として起業するのであれば、

事業内容を決める

必要な許認可を確認する

経営・管理ビザの最新要件を確認する

事業所を選ぶ

資金・人員体制を整える

会社を設立する

事業開始の準備をする

経営・管理ビザを申請する

というように、全体を一つの計画として進めることが重要です。


また、経営・管理ビザは近年制度の見直しが行われており、過去の情報だけを参考にするのは危険です。

特に「資本金500万円を用意すればよい」といった古い説明だけを前提に会社を設立しないよう注意しましょう。


実際に申請する際には、その時点で適用される出入国在留管理庁の最新要件を確認する必要があります。

山梨県・甲府市で経営・管理ビザを取得して起業する場合も、ビザだけではなく、事業所、会社設立、許認可、税務などを含めて準備することが重要です。

「日本で会社を作って経営したい」

「どのくらいの資金が必要かわからない」

「自宅を事務所にできるか確認したい」

「会社設立とビザ申請をどの順番で進めればよいかわからない」

「事業計画書をどこまで作ればよいかわからない」

このようなお悩みがある場合は、会社を設立する前に行政書士へご相談ください。

事業内容や資金、事業所、必要な許認可などを整理し、経営・管理ビザ取得までの手続きを計画的に進めることで、会社設立後のやり直しや申請上のリスクを減らすことにつながります。




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