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【比較】自筆証書遺言と公正証書遺言の違い

  • 6月10日
  • 読了時間: 12分
自筆証書遺言と公正証書遺言の違いをわかりやすく解説。費用・作成方法・メリット・デメリット・無効リスクを比較し、自分に合った遺言書の選び方や失敗しないポイントを紹介します。



1. 自筆証書遺言と公正証書遺言とは?まずは基本を理解しよう


遺言書にはいくつか種類がありますが、一般的に利用されるのが自筆証書遺言と公正証書遺言です。

まずはそれぞれの特徴を理解しましょう。


遺言書が必要になる理由

遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。


相続人同士の関係が良好であれば問題ありませんが、

・不動産がある

・再婚家庭である

・相続人が遠方に住んでいる

などの場合はトラブルになることがあります。


遺言書は相続人同士の争いを防ぐ有効な手段です。


自筆証書遺言とは?

自筆証書遺言とは、遺言者本人が作成する遺言書です。

以前は全文を手書きする必要がありましたが、現在は財産目録についてパソコン作成も認められています。

自宅で手軽に作成できる点が特徴です。


公正証書遺言とは?

公正証書遺言とは、公証役場で公証人が作成する遺言書です。

遺言内容を公証人へ伝え、それをもとに正式な遺言書が作成されます。

法律の専門家が関与するため、安全性が高い遺言方式です。


近年の法改正による変化

近年は法務局による「自筆証書遺言保管制度」が開始されました。

これにより、自筆証書遺言でも紛失や改ざんリスクを減らすことができるようになっています。



2. 自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを一覧比較


両者の違いを理解するため、まずは比較してみましょう。


比較表で違いを確認

主な違いは次のとおりです。

・作成者

・費用

・保管場所

・検認の有無

・無効リスク

などです。


どちらが優れているというより、状況によって向き不向きがあります。


作成方法の違い

自筆証書遺言は本人だけで作成できます。

一方、公正証書遺言は公証人や証人が必要になります。

手軽さでは自筆証書遺言が優れています。


保管方法の違い

自筆証書遺言は自宅保管が一般的です。

公正証書遺言は原本が公証役場で保管されます。

紛失リスクという点では公正証書遺言が有利です。


手続きの流れの違い

公正証書遺言は作成時の手間はありますが、相続開始後の手続きは比較的スムーズです。

反対に、自筆証書遺言は作成は簡単でも後の手続きに時間がかかることがあります。



3. 自筆証書遺言のメリット・デメリット


自筆証書遺言には手軽さという大きなメリットがあります。

一方で注意点も存在します。


費用を抑えられる

最大のメリットは費用がほとんどかからないことです。

紙と筆記具があれば作成できます。

費用を抑えたい方には魅力的な方法です。


自分だけで作成できる

公証役場へ行く必要がなく、自分のタイミングで作成できます。

内容を誰にも知られずに作成できる点も特徴です。


紛失・改ざんリスクがある

自宅保管の場合、

・見つからない

・破棄される

・改ざんされる

といったリスクがあります。

実際の相続でも問題になることがあります。


無効になる可能性がある

日付や署名の不備などにより、遺言が無効になるケースがあります。

法律上のルールを正しく守ることが重要です。



4. 公正証書遺言のメリット・デメリット


公正証書遺言は安全性の高さが大きな特徴です。


法的な安全性が高い

公証人が内容を確認して作成するため、形式不備による無効リスクが非常に低くなります。

安心感を重視する方に向いています。


原本が公証役場に保管される

公証役場に原本が保管されるため、

・紛失

・改ざん

・破棄

の心配がほとんどありません。


相続手続きがスムーズになる

公正証書遺言は検認が不要です。

そのため、相続開始後の手続きが迅速に進みます。


作成費用や手間がかかる

公証人手数料や証人費用が必要になります。

また、必要書類の収集や事前打ち合わせも必要です。



5. 費用・手間・安全性を徹底比較


遺言書選びでは費用だけで判断しないことが重要です。


作成費用の比較

自筆証書遺言はほぼ無料です。

公正証書遺言は財産額によって数万円から十数万円程度かかることがあります。


必要な準備書類の比較

公正証書遺言では、

・戸籍謄本

・住民票

・不動産資料

などの準備が必要になります。


作成にかかる期間の比較

自筆証書遺言はその日のうちに作成できます。

公正証書遺言は数週間程度かかることが一般的です。


トラブル防止効果の比較

将来的な相続トラブルを防ぐという点では、公正証書遺言が優れています。



6. 遺産分割協議の進め方と必要書類


遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分け方を決める「遺産分割協議」を行う必要があります。

相続手続きの中でも特に重要な手続きであり、この協議内容によって誰がどの財産を取得するのかが決まります。


また、金融機関での相続手続きや不動産の相続登記でも遺産分割協議書が必要になるため、正確に進めることが重要です。


遺産分割協議とは?

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合う手続きです。


例えば、

・預貯金は長男が取得する

・実家の土地建物は長女が相続する

・自動車は次男が引き継ぐ

といった内容を決めていきます。


重要なのは、相続人全員の同意が必要という点です。

一人でも反対している場合や、相続人の一部が参加していない場合は有効な協議とは認められません。


実際の相続相談では、

・兄弟の意見がまとまらない

・相続人の一人と連絡が取れない

・財産内容に認識の違いがある

といった理由で協議が長期化するケースもあります。


まずは相続人と相続財産を正確に把握した上で話し合いを進めることが大切です。


遺産分割協議書の作成方法

話し合いで決定した内容は、必ず遺産分割協議書として書面に残します。

口頭だけの約束では後から「言った・言わない」のトラブルになる可能性があるためです。


遺産分割協議書には、

・被相続人の氏名

・相続人全員の氏名

・取得する財産の内容

・相続人全員の署名押印

などを記載します。


特に不動産については、「甲府市の実家」という曖昧な書き方ではなく、登記事項証明書に記載された所在地や地番を正確に記載する必要があります。


また、預貯金についても金融機関名や支店名、口座番号などを具体的に記載しておくことで、後の手続きがスムーズになります。


協議時に必要な書類一覧

遺産分割協議を進める際には、次のような書類を準備します。


・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

・相続人全員の戸籍謄本

・相続人全員の印鑑証明書

・固定資産税納税通知書

・預金残高証明書

・不動産登記事項証明書


これらの書類によって、「誰が相続人なのか」「どのような財産があるのか」を客観的に確認できます。

財産資料が不足していると話し合いが進まない原因になるため、事前準備が重要です。


相続トラブルを防ぐポイント

相続トラブルの多くは財産額ではなく感情面が原因で発生します。


例えば、

・親の介護をしていた人としていない人

・生前贈与を受けていた人と受けていない人

・実家に住み続けたい人と売却したい人

などで意見が対立することがあります。


そのため、

・財産内容を全員で共有する

・感情論ではなく事実を確認する

・協議内容を書面で残す

ことが重要です。


相続人同士で話し合いが難しい場合は、早めに専門家へ相談することでトラブルの拡大を防ぐことができます。



7. 遺言書が無効になるケースとは?


せっかく遺言書を作成しても、法律上の要件を満たしていなければ無効になる可能性があります。

特に自筆証書遺言は自分で作成できる反面、形式不備による無効リスクがあるため注意が必要です。

実際の相続手続きでも、「遺言書が見つかったものの無効だった」というケースは珍しくありません。


自筆証書遺言で多い無効事例

自筆証書遺言で多いのが形式上のミスです。


例えば、

・日付が記載されていない

・署名がない

・押印がない

・本人が自筆していない

などの場合、遺言が無効になる可能性があります。


特に高齢の方がインターネットのひな形を参考に作成した結果、法律上必要な記載が漏れているケースは少なくありません。


また、「令和○年○月吉日」のような曖昧な日付も無効になる可能性があります。

手軽に作成できる反面、細かなルールを守る必要があることを理解しておきましょう。


内容が曖昧な場合のリスク

形式は正しくても、内容が曖昧だと後のトラブルにつながります。


例えば、「土地を長男に譲る」とだけ記載されていた場合、どの土地を指しているのか判断できないことがあります。

甲府市内に複数の不動産を所有している方であれば、所在地や地番まで具体的に記載することが重要です。


遺留分トラブルに注意

遺言書があっても、相続人には遺留分という最低限の権利があります。

例えば、「全財産を長男へ相続させる」という遺言を書いた場合でも、他の相続人が遺留分侵害額請求を行う可能性があります。


遺言書を作成する際は、単に財産の分け方を決めるだけでなく、相続人全体のバランスも考慮することが大切です。


専門家確認の重要性

遺言書は一度作ったら終わりではありません。

財産状況や家族構成の変化によって内容を見直す必要があります。


また、専門家に確認してもらうことで、

・形式不備の防止

・内容の明確化

・相続トラブル予防

につながります。


実務上も、自分だけで作成した遺言書より、専門家が関与した遺言書の方が相続手続きがスムーズに進む傾向があります。



8. どちらを選ぶべき?ケース別おすすめの遺言書


自筆証書遺言と公正証書遺言にはそれぞれ特徴があります。

大切なのは、どちらが優れているかではなく、ご自身の状況に合った方法を選ぶことです。


財産が少ない場合

預貯金が中心で相続人同士の関係も良好な場合は、自筆証書遺言でも十分対応できるケースがあります。

最近は法務局の自筆証書遺言保管制度も利用できるため、以前より安全性は高まっています。


まずは遺言書を残すことを優先したい方には、自筆証書遺言も有効な選択肢です。

ただし、内容はできるだけ具体的に記載し、形式不備がないよう注意しましょう。


不動産を所有している場合

不動産を所有している方は、公正証書遺言をおすすめします。

不動産は預貯金のように簡単に分けることができず、相続人同士で意見が分かれやすい財産だからです。


例えば、

・長男は住み続けたい

・次男は売却して現金化したい

というケースは非常によくあります。


遺言書がなければ話し合いが必要になりますが、公正証書遺言で取得者を明確に指定しておけば、相続開始後の負担を大幅に減らすことができます。


相続人同士の関係に不安がある場合

兄弟間の仲が良くない場合や、過去に金銭トラブルがあった場合は、公正証書遺言が適しています。


自筆証書遺言だと、

「本当に本人が書いたのか」

「内容がおかしい」

といった争いになることがあります。


一方、公正証書遺言は公証人が作成するため、そのような争いが起こりにくくなります。

将来のトラブルを防ぐという意味でも大きなメリットがあります。


再婚家庭・子どもがいない夫婦の場合

相続関係が複雑な家庭ほど、公正証書遺言の重要性は高くなります。


例えば再婚家庭では、

・前妻との子ども

・現在の配偶者

が相続人になるケースがあります。


また、子どもがいない夫婦では、配偶者だけでなく兄弟姉妹にも相続権が発生する場合があります。

こうしたケースでは遺言書の有無によって、相続手続きの難易度が大きく変わります。



9. 行政書士へ相談するメリット


遺言書は単に作成するだけでなく、「将来確実に使える内容にすること」が重要です。

そのためには専門家のサポートが役立ちます。


遺言内容の法的チェックができる

自分で作成した遺言書は、気付かないうちに法的な問題を抱えていることがあります。


行政書士へ相談することで、

・記載漏れ

・表現の曖昧さ

・将来のトラブル要因

を事前に確認できます。


特に不動産や複数の相続人がいる場合は、専門家のチェックが重要です。


相続トラブルを予防できる

実際の相続トラブルの多くは、

「何を書いているのかわからない」

「解釈が分かれる」

ことが原因です。


行政書士は将来の相続手続きまで見据えて遺言内容を整理するため、争いを未然に防ぐ効果が期待できます。


公正証書遺言作成のサポートが受けられる

公正証書遺言は公証役場へ行けば作れるわけではありません。


事前に、

・戸籍収集

・財産資料収集

・相続人確認

などの準備が必要になります。


行政書士へ依頼することで、これらの負担を大きく軽減できます。



10. 【まとめ】迷ったら公正証書遺言がおすすめな理由


ここまで自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを比較してきました。

どちらにもメリットはありますが、将来の安心という観点では公正証書遺言に大きな強みがあります。


自筆証書遺言が向いている人

自筆証書遺言は、

・費用を抑えたい

・まずは遺言書を残したい

・財産構成がシンプル

という方に向いています。


ただし、形式不備や内容の曖昧さには十分注意が必要です。


公正証書遺言が向いている人

一方で、

・不動産を所有している

・再婚家庭である

・相続人同士の関係に不安がある

・確実な遺言を残したい

という方には公正証書遺言がおすすめです。


作成費用はかかりますが、その分将来の相続トラブルを防ぐ効果が期待できます。


将来の相続トラブルを防ぐために

相続トラブルは資産家だけの問題ではありません。


実際には一般家庭でも、

・実家を誰が相続するか

・預貯金をどう分けるか

で揉めるケースは数多くあります。


遺言書は残された家族への最後の思いやりでもあります。

どちらを選ぶべきか迷った場合は、専門家へ相談しながらご自身に合った方法を選び、早めに準備を進めることをおすすめします。

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