【費用】遺言書作成の相場と内訳|自筆証書・公正証書・専門家依頼の費用を徹底解説

1. 遺言書作成にはどのような費用がかかるのか
遺言書作成に必要な費用の全体像
遺言書作成にかかる費用は、大きく分けると以下のようになります。
・書類取得費用
・公証役場への手数料
・証人費用
・専門家報酬
・遺言執行者報酬(必要な場合)
遺言書の種類や依頼方法によって費用は大きく変わります。
自分で作成する場合と専門家に依頼する場合の違い
自分で作成する場合は費用を抑えられますが、
・記載ミス
・法的な不備
・財産漏れ
などが発生しやすくなります。
一方で専門家へ依頼すると費用はかかりますが、将来的な相続トラブルを防ぐ効果が期待できます。
遺言書の種類によって費用が変わる理由
遺言書には主に、
・自筆証書遺言
・公正証書遺言
があります。
公正証書遺言は公証人が関与するため、自筆証書遺言より費用が高くなる傾向があります。
「安く済ませる」と「確実に残す」の違い
実務上、相続トラブルで数十万円から数百万円の費用が発生することもあります。
そのため遺言書作成費用は「支出」ではなく、「将来の争いを防ぐための投資」と考えることも大切です。
2. 自筆証書遺言の費用相場
自筆証書遺言とは
本人が自筆で作成する遺言書です。
最も手軽に作成できる方法として知られています。
自分で作成する場合の費用
基本的には、
・用紙代
・筆記用具代
・印鑑代
程度です。
そのため数百円から数千円程度で作成できます。
必要となる書類取得費用
作成時に以下を取得することがあります。
・登記事項証明書
・固定資産評価証明書
・戸籍謄本
取得費用は数百円程度です。
法務局の自筆証書遺言書保管制度の費用
法務局の保管制度を利用する場合は、
1通につき3,900円の手数料が必要です。
自筆証書遺言のメリット・デメリット
【メリット】
・安価
・手軽
・秘密にできる
【デメリット】
・無効リスクが高い
・紛失の可能性がある
・内容の不備が発生しやすい
行政書士として相談を受ける中でも、最もトラブルが多いのが自筆証書遺言です。
3. 公正証書遺言の費用相場
公正証書遺言とは
公証人が作成する遺言書です。
法的安全性が高く、相続実務でも最も推奨される方法です。
公証役場へ支払う手数料の仕組み
公証人手数料は財産額によって変わります。
財産額によって変わる費用の目安
一般的には、
・財産1,000万円程度:2~4万円前後
・財産3,000万円程度:4~6万円前後
・財産5,000万円程度:6~8万円前後
・財産1億円超:10万円以上
が一つの目安です。
証人費用はどれくらいかかるのか
証人を専門家へ依頼する場合、
1名あたり5,000円~15,000円程度
が相場です。
公正証書遺言のメリット・デメリット
【メリット】
・無効リスクが低い
・紛失しない
・家庭裁判所の検認が不要
【デメリット】
・費用がかかる
・公証役場との調整が必要
4. 公正証書遺言の費用内訳を詳しく解説
公証人手数料
最も大きな費用です。
財産額に応じて決定されます。
証人への報酬
証人2名が必要になります。
専門家へ依頼するケースも多くあります。
戸籍謄本や住民票などの取得費用
必要書類取得費用として数千円程度発生します。
不動産登記事項証明書の取得費用
不動産がある場合に必要です。
1通数百円程度です。
専門家が同行する場合の追加費用
公証役場との調整や書類作成を依頼する場合は別途報酬が必要になります。
5. 行政書士・弁護士・司法書士に依頼した場合の費用相場
行政書士へ依頼する場合の費用
一般的には
5万円~15万円程度
が相場です。
司法書士へ依頼する場合の費用
おおむね
5万円~20万円程度
が目安です。
弁護士へ依頼する場合の費用
10万円~30万円以上
となるケースもあります。
専門家ごとの業務範囲の違い
行政書士
・遺言書作成支援
・相続人調査
・財産調査
司法書士
・不動産登記関連
弁護士
・相続紛争対応
それぞれ得意分野が異なります。
費用だけで選んではいけない理由
重要なのは「何を依頼したいのか」です。
単純な価格比較だけでは適切な判断はできません。
6. 遺言書作成費用が高くなるケース
財産が多い場合
公証人手数料が増加します。
不動産が複数ある場合
調査や資料収集の手間が増えます。
相続人が多い場合
関係整理に時間がかかります。
事業承継を含む場合
株式評価や事業承継対策が必要になります。
再婚家庭や相続トラブルが予想される場合
より慎重な設計が必要になるため費用も高くなります。
7. 遺言書作成後にもかかる費用とは
遺言執行者を指定する場合の費用
遺言執行者へ報酬を支払うケースがあります。
遺言執行時に発生する報酬
財産額によって変動します。
数十万円以上になることもあります。
遺言内容の変更・作り直し費用
新しい遺言書を作成する場合は再度費用が発生します。
相続開始後に発生する手続き費用
・相続登記・預金解約・名義変更
などの費用も考慮する必要があります。
8. 費用を抑えながら失敗しない遺言書を作る方法
自筆証書遺言書保管制度を活用する
3,900円で利用でき、紛失や改ざん防止に役立ちます。
財産調査を事前に行う
財産漏れを防げます。
専門家へ部分的に相談する
作成だけ自分で行い、内容確認のみ依頼する方法もあります。
公正証書遺言を選ぶべきケースを見極める
以下の場合は公正証書遺言がおすすめです。
・不動産が多い
・再婚家庭
・相続人が多い
・トラブルが予想される
将来の相続トラブルコストを考える
目先の数万円を節約した結果、後に大きなトラブルへ発展することもあります。
9. 遺言書作成を専門家へ依頼するメリット
無効になるリスクを減らせる
形式不備を防止できます。
財産漏れや記載ミスを防げる
実務上非常に重要なポイントです。
相続人間の争いを予防できる
付言事項なども活用できます。
遺留分への配慮ができる
後の紛争リスクを下げられます。
相続開始後の手続きをスムーズにできる
家族の負担軽減にもつながります。
10. まとめ|遺言書作成費用は「コスト」ではなく「相続対策への投資」
遺言書作成費用は、
・自筆証書遺言なら数千円程度
・公正証書遺言なら数万円から十数万円程度
・専門家へ依頼する場合は数万円から数十万円程度
が一般的な目安です。
しかし本当に重要なのは「いくらかかったか」ではなく、「確実に想いを実現できる遺言書を残せるか」です。
行政書士として相続相談を受ける中でも、「もっと早く遺言書を準備しておけばよかった」という声は少なくありません。
ご自身の財産やご家族への想いを確実に残すためにも、費用だけで判断せず、ご自身に合った方法で遺言書作成を進めることをおすすめします。


