【就労資格証明書】転職時に必要?申請するメリットと手続きを解説

▼目次
1. 就労資格証明書とは?まず知っておきたい基礎知識
就労資格証明書とは、外国人が現在持っている在留資格で、どのような仕事をすることができるかを証明する書類です。
出入国在留管理庁では、外国人本人からの申請に基づき、その人が行うことのできる就労活動を証明する文書として案内しています。
転職後に「新しい会社の仕事を、このままの在留資格で続けても問題ないか」を確認したいときによく利用されます。
就労資格証明書は新しいビザではない
まず理解しておきたいのは、就労資格証明書は新しい在留資格を取得するための手続きではないという点です。
現在持っている在留資格の範囲内で、どのような就労活動が認められているかを証明するためのものであり、在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請とは目的が異なります。
そのため、現在の在留資格では認められない仕事を、就労資格証明書によって新たにできるようになるわけではありません。
転職したものの、新しい勤務先での仕事内容が現在の在留資格に該当するか判断しにくい場合に、確認手段として利用しやすい制度です。
転職時によく利用される理由
転職前に取得した在留資格は、現在の勤務先や仕事内容を前提として許可されているケースが多く、転職先の仕事内容まで個別に確認されたものではありません。
たとえば「技術・人文知識・国際業務」で前職のシステム開発業務が認められていても、新しい会社で営業や企画など別の仕事を担当する場合、その仕事まで当然に認められるとは限りません。
転職後に就労資格証明書を申請すると、新しい勤務先の事業内容や雇用契約、具体的な仕事内容などをもとに確認を受けることができます。
特に前職と仕事内容が変わる場合や、同じ職種名でも実際の業務内容が異なる場合は、転職時に確認しておく意味が大きくなります。
在留カードだけでは判断しにくいケースもある
在留カードには、現在の在留資格や在留期限、就労制限の有無などが記載されています。
しかし、たとえば「技術・人文知識・国際業務」と記載されていても、その外国人が新しい勤務先で予定しているすべての仕事を行えるという意味ではありません。
特に営業、事務、企画、マーケティングなどは、会社によって仕事内容が大きく異なります。求人票に同じ職種名が書かれていても、実際の業務内容によって判断が変わることがあります。
そのため、在留カードだけで判断するのではなく、転職後にどのような仕事を担当するのかまで具体的に確認することが重要です。
就労できる外国人が申請できる
就労資格証明書は、就労することが認められている外国人が、自分の就労可能な活動内容について証明を受けるための制度です。
また、「永住者」や「定住者」など、就労活動に原則として制限のない在留資格を持つ外国人についても、制度上は申請することができます。
一方で、外国人であれば誰でも自由に取得できるというものではありません。現在の在留資格や資格外活動許可などに基づき、どのような就労が認められているかが確認されます。
まずは在留カードを確認し、自分がどの在留資格で日本に滞在しているのかを把握することが第一歩です。
雇用する企業にとっても意味がある
就労資格証明書は、外国人本人だけでなく、採用する企業にとっても意味があります。
企業側は外国人を採用する際、「この在留資格で、自社が予定している仕事を任せても問題ないのか」を確認する必要があります。
在留カードが有効であっても、自社の仕事内容まで適法に行えるとは限りません。特に外国人を初めて中途採用する企業では、在留資格と仕事内容の関係を判断しにくいことがあります。
就労資格証明書があれば、就労可能な活動を確認する一つの材料になるため、外国人本人だけでなく企業側の不安を減らすことにもつながります。
2. 転職したら就労資格証明書は必ず必要?
外国人が転職した場合でも、就労資格証明書の取得が必ず義務付けられているわけではありません。
現在の在留資格で新しい仕事を行えるのであれば、就労資格証明書を取得せずに転職することもできます。
ただし、「取得義務がない」ということと、「新しい仕事が在留資格上問題ない」ということは別です。
転職しただけでは取得義務はない
転職によって勤務先が変わっても、就労資格証明書を必ず取得しなければならないという制度ではありません。
就労資格証明書は、現在の在留資格でどのような就労活動ができるかを確認するための制度であり、転職した外国人全員に取得が義務付けられているわけではありません。
そのため、転職後の仕事内容が明らかに現在の在留資格の範囲内であり、前職とほぼ同じ仕事を続ける場合には、取得しないケースもあります。
たとえば、ITエンジニアが別のIT企業へ転職し、引き続きシステム開発やプログラム開発を担当するようなケースです。
ただし、取得義務がないからといって、仕事内容の確認まで不要になるわけではありません。
取得しなくても転職できるケースはある
たとえば「技術・人文知識・国際業務」でプログラマーとして働いていた外国人が、別会社でも同じようにプログラマーとして勤務する場合を考えてみましょう。
転職前と転職後の仕事内容がほぼ同じで、本人の学歴や職歴と業務内容との関連性も明確であれば、就労資格証明書を取得せずに転職するケースもあります。
一方で、会社が変われば事業内容や担当業務、仕事の進め方も変わる可能性があります。
求人票には同じ「プログラマー」と書かれていても、実際には顧客対応や営業、現場作業など別の業務を多く担当する場合もあります。
そのため、職種名だけで判断せず、実際にどのような仕事をするのかを確認したうえで、就労資格証明書を取得するか判断することが重要です。
在留資格変更とは別に考える
就労資格証明書と在留資格変更許可申請は、目的が異なる手続きです。
就労資格証明書は、現在持っている在留資格の範囲内で、どのような仕事が認められるかを確認するためのものです。
一方、転職後の仕事内容が現在の在留資格では認められない活動に変わる場合は、就労資格証明書ではなく、在留資格変更許可申請を検討する必要があります。
つまり、就労資格証明書を取得したからといって、現在の在留資格の範囲外の仕事までできるようになるわけではありません。
転職時には、「今の在留資格のままで働けるのか」「別の在留資格への変更が必要なのか」を先に整理することが大切です。
取得しない場合は自己判断になる部分がある
就労資格証明書を取得しない場合、新しい勤務先の仕事内容が現在の在留資格で認められるかどうかを、外国人本人や企業側で判断することになります。
仕事内容が明確で、前職とほとんど変わらない場合は判断しやすいでしょう。
しかし、営業、企画、事務、マーケティングなど、具体的な業務内容によって判断が分かれやすい職種では注意が必要です。
転職後に数年間働いたあと、次回の在留期間更新で初めて仕事内容について詳しく確認されることもあります。
その時点で在留資格との適合性に問題があると分かれば、外国人本人だけでなく、雇用している企業側にも影響が出る可能性があります。
必要か迷う場合は転職時に確認する
実務上は、「就労資格証明書が絶対に必要か」という考え方よりも、「取得しておいたほうが安心できるケースか」という視点で判断すると分かりやすくなります。
前職から仕事内容が大きく変わる場合や、複数の業務を担当する場合、現在の在留資格に該当するか判断しにくい場合には、取得を検討する価値があります。
また、次回の在留期間更新まで2年、3年と期間が残っている場合は、その間ずっと自己判断で働き続けることになります。
転職してから数年後の更新時に初めて問題が分かるよりも、転職時点で仕事内容と在留資格の関係を整理しておくほうが、その後の対応もしやすくなります。
3. 就労資格証明書を取得するメリット
就労資格証明書を取得する最大のメリットは、転職先で予定している仕事について、現在の在留資格で就労できるかを確認できることです。
特に転職後初めての在留期間更新まで時間がある場合は、早い段階で確認できる意味があります。
外国人本人だけでなく、採用企業側にもメリットがあります。
転職先で働けるか確認できる
転職時に最も不安になりやすいのが、「今のビザのままで、この仕事をしてもよいのか」という点です。
就労資格証明書を申請すると、転職後の勤務先や仕事内容について資料を提出し、審査を受けることができます。
出入国在留管理庁では、勤務先や活動内容が変わった場合、「新たな勤務先や活動内容の詳細がわかる書類」の提出を求めています。
そのため、インターネット上の一般的な情報だけでは判断できない場合の確認手段として役立ちます。
次回の在留期間更新に備えられる
転職直後に在留期限が2年、3年と残っている場合、次回の更新まで新しい仕事内容について審査を受けないことがあります。
就労資格証明書を取得しておけば、転職後の仕事内容について早い段階で確認できます。
もちろん、証明書を取得したからといって、将来の更新が必ず許可されるわけではありません。
しかし、更新直前になって初めて仕事内容の問題が発覚するリスクを減らすことにつながります。
採用企業側も就労可否を確認しやすい
外国人を採用する企業には、「この在留資格で、自社が予定している仕事を任せても問題ないのか」という不安があります。
特に初めて外国人を採用する企業では、「在留カードの期限が残っているから働ける」と判断してしまうケースもあります。しかし、在留カードが有効であることと、予定している仕事内容を行えることは別の問題です。
就労資格証明書があれば、現在の在留資格で認められる就労活動を確認するための資料になります。
採用企業としても、外国人本人の説明だけに頼らず確認しやすくなるため、採用後のトラブル防止につながります。
外国人本人と企業の双方が、仕事内容について共通認識を持ったうえで雇用関係を続けるための一つの材料になるといえます。
転職後のミスマッチを早めに発見できる
就労資格証明書を申請する過程では、新しい会社で担当する仕事内容を具体的に整理する必要があります。
その中で、「求人票で聞いていた仕事と実際の担当業務が違う」「専門業務より現場作業や接客業務の割合が高い」といった問題に気付くことがあります。
転職直後の段階であれば、企業側と相談して仕事内容や業務分担を見直せる可能性もあります。
一方、何も確認せず数年間働き、在留期間更新の直前になって問題が分かった場合は、仕事内容の変更や説明資料の準備が難しくなることもあります。
早い段階でミスマッチを発見し、必要な対応を取れることは、就労資格証明書を利用する大きなメリットです。
転職活動でも説明しやすくなる
就労資格証明書は、外国人本人が自分の就労資格について、転職先の企業へ説明する際にも利用できます。
外国人採用に慣れていない企業では、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格名を見ても、具体的にどのような仕事を任せられるのか分からないことがあります。
そのような場合、就労資格証明書があれば、自分がどのような就労活動を行えるのかを企業側へ説明しやすくなります。
採用担当者の不安を減らし、選考や入社手続きをスムーズに進めるための資料として活用できることもあります。
ただし、証明書があればどの会社でも自由に働けるという意味ではありません。実際の転職先で予定している仕事内容との適合性を確認することが重要です。
4. 就労資格証明書を取得したほうがよいケース
就労資格証明書は必須ではありませんが、転職内容によっては取得を検討したほうがよいケースがあります。
特に「今の在留資格で本当にこの仕事ができるのか」と少しでも判断に迷う場合は、転職時点で確認しておくことが重要です。
以下のようなケースでは、就労資格証明書の利用を検討しやすいでしょう。
前職と仕事内容が大きく変わる場合
前職と転職先で職種や仕事内容が大きく変わる場合は、就労資格証明書の取得を検討する価値があります。
たとえば、ITエンジニアから企画職へ転職する場合や、通訳業務から営業業務へ移る場合などです。どちらも「技術・人文知識・国際業務」に該当する可能性はありますが、実際に担当する業務内容によって判断が変わります。
特に、前職では専門業務が中心だったものの、転職後は接客や現場作業の割合が増えるような場合は注意が必要です。
「同じ在留資格の範囲だと思う」という自己判断だけで進めるのではなく、転職後の仕事内容を具体的に整理したうえで確認しておくと安心です。
職種名だけでは判断しにくい場合
営業、事務、企画、マーケティングなどは、同じ職種名でも会社によって実際の仕事内容が大きく異なります。
たとえば営業職でも、海外顧客との交渉、市場分析、法人向け提案などを行う場合と、店舗での商品販売や接客が中心の場合では内容が異なります。
そのため、求人票に「営業」「事務」と書かれているだけで、現在の在留資格で働けるかを判断するのは難しいことがあります。
雇用契約書や職務内容説明書などを整理し、具体的な担当業務や業務割合を明確にしたうえで、必要に応じて就労資格証明書を申請する方法があります。
職種名ではなく、実際に日常的に行う仕事を基準に考えることが重要です。
次回の在留期間更新まで長い場合
転職時点で在留期間がまだ2年や3年残っている場合も、就労資格証明書の取得を検討しやすいケースです。
何も確認しなければ、その期間ずっと新しい勤務先で働いた後、次回の在留期間更新で初めて仕事内容について詳しく確認される可能性があります。
もし更新時に、現在の在留資格と仕事内容の関係について問題を指摘されると、それまで長期間働いていた分、対応が難しくなることもあります。
早い段階で就労資格証明書を取得しておけば、転職後の仕事内容について確認できるため、必要に応じて業務内容や今後の申請方針を見直しやすくなります。
次回更新まで期間が長いほど、「更新時に確認すればよい」と後回しにしないことが大切です。
外国人採用に慣れていない企業へ転職する場合
外国人採用の経験が少ない会社では、在留資格と仕事内容の関係を十分に理解していないことがあります。
「正社員として採用すれば問題ない」「在留カードの期限が残っていれば働ける」と誤解されるケースもありますが、実際には在留資格ごとに認められる活動内容が異なります。
このような企業へ転職する場合、外国人本人だけで判断すると、入社後に会社側との認識違いが生じる可能性があります。
就労資格証明書を取得することで、会社側も就労可能な活動を確認しやすくなり、担当業務を決める際の一つの材料になります。
採用時点で会社と本人が仕事内容について共通認識を持つことが、その後のトラブル防止につながります。
転職後の更新に不安がある場合
「前の会社では問題なく在留期間更新ができたが、新しい会社でも同じように更新できるのか不安」という相談もあります。
転職すると、会社の事業内容、規模、雇用条件、担当する仕事内容などが変わります。そのため、前職で更新が認められていたからといって、新しい勤務先でも自動的に問題がないとは限りません。
就労資格証明書を取得しておけば、転職後の仕事内容について早い段階で確認できるため、次回の在留期間更新に向けた不安を減らすことにつながります。
特に、仕事内容が前職から変わった場合や、本人の学歴・職歴との関係が分かりにくい場合は、早めに確認しておくことをおすすめします。
在留期限が近づいてから慌てるのではなく、転職した段階で問題点を整理しておくことが重要です。
5. 就労資格証明書の申請に必要な書類
就労資格証明書を申請する際には、現在の在留資格や転職後の勤務先、具体的な仕事内容などを確認できる書類を準備します。
特に転職後に申請する場合は、「新しい会社で何をするのか」「現在の在留資格でその仕事を行えるのか」を判断できる資料が重要です。
必要書類は在留資格や転職内容によって異なるため、雇用契約書だけを用意すればよいとは限りません。
就労資格証明書交付申請書
まず必要になるのが、就労資格証明書交付申請書です。
申請書には、外国人本人の氏名や国籍・地域、現在の在留資格、勤務先、希望する証明内容などを記載します。
転職後に申請する場合は、新しい勤務先の情報や具体的な活動内容についても整理しておく必要があります。
申請書に記載した仕事内容と、雇用契約書や職務内容説明書の内容が一致していないと、追加資料や説明を求められる可能性があります。
そのため、先に転職先での担当業務を確認し、その内容に合わせて申請書を作成することが大切です。
在留カードと旅券を準備する
申請時には、在留カードや旅券など、外国人本人の現在の在留状況を確認できるものが必要になります。
在留カードでは、現在の在留資格、在留期間、就労制限の有無などを確認できます。
特に転職時には、単に「就労ビザを持っている」という確認だけでは十分ではありません。
「技術・人文知識・国際業務」「技能」「特定技能」など、正式な在留資格によって認められる仕事内容が異なります。
在留期限が近い場合には、就労資格証明書の申請だけでなく、在留期間更新との関係もあわせて確認しておきましょう。
転職先との雇用契約が分かる書類
転職後の勤務先との契約内容を確認するため、雇用契約書や労働条件通知書などを準備します。
給与額、雇用期間、勤務場所、勤務時間、職種など、どのような条件で働く予定なのかを確認できる状態にしておきます。
ただし、雇用契約書に「営業」「事務」「エンジニア」などとしか記載されていない場合、それだけでは実際の仕事内容を判断できないことがあります。
たとえば同じ営業職でも、法人営業、海外営業、店舗販売では業務内容が大きく異なります。
このような場合は、雇用契約書とは別に、具体的な職務内容を説明する資料を準備したほうが分かりやすくなります。
具体的な仕事内容が分かる資料
転職時の就労資格証明書申請で特に重要になるのが、実際の仕事内容を説明する資料です。
担当業務、所属部署、1日の仕事の流れ、取引先との関係、専門知識をどのように活用するのかなどを整理します。
前職と仕事内容が大きく変わる場合は、「なぜ現在の在留資格でこの仕事を行えるのか」が分かるように説明しておくことも重要です。
たとえば「技術・人文知識・国際業務」であれば、単純に「営業」と書くのではなく、市場分析、法人顧客への提案、海外取引など、専門性が分かる内容まで具体化します。
行政書士として確認する場合も、職種名だけでは判断せず、実際にどの業務をどの程度担当するのかまで確認することが重要です。
学歴・職歴や会社資料が必要になることもある
申請内容によっては、卒業証明書、成績証明書、職歴証明書など、外国人本人の学歴や職歴を確認する資料が必要になることがあります。
特に「技術・人文知識・国際業務」では、本人の専攻や職歴と転職後の仕事内容との関係が重要になる場合があります。
また、転職先についても、会社案内、登記事項証明書、事業内容が分かる資料、ホームページなどから、どのような会社なのかを確認されることがあります。
必要書類は一律ではなく、本人の経歴や会社、仕事内容によって変わります。
「とりあえず雇用契約書だけ提出すればよい」と考えず、審査する側が転職後の仕事を具体的にイメージできるよう資料を整理することが重要です。
6. 就労資格証明書の申請方法・費用・審査期間
就労資格証明書は、必要書類を準備したうえで、地方出入国在留管理官署などへ申請します。
申請後は、新しい勤務先の事業内容や雇用条件、外国人本人の経歴、仕事内容などをもとに審査が行われます。
転職後すぐに就労可否を確認したい場合は、資料の準備期間も含めて早めに進めることが重要です。
就労資格証明書の申請先
原則として、外国人本人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署などへ申請します。
申請書だけではなく、在留カードや旅券、転職先との雇用契約書、仕事内容を説明する資料などを提出します。
申請内容によっては追加資料を求められることもあるため、最初から必要な情報を整理しておくと手続きがスムーズです。
外国人本人が申請することもできますが、一定の要件を満たした申請取次行政書士などが本人に代わって手続きを行う方法もあります。
仕事を続けながら書類を準備するのが難しい場合や、仕事内容の説明方法に不安がある場合は、専門家への相談も選択肢になります。
オンライン申請できる場合もある
在留手続についてはオンライン化が進んでおり、対象となる手続や利用者であればオンライン申請を利用できる場合があります。
オンライン申請を利用すれば、申請のために入管の窓口へ行く負担を軽減できることがあります。
ただし、利用には事前登録などが必要になる場合があるため、申請方法を確認しておく必要があります。
また、オンライン申請だから審査が簡単になったり、仕事内容の説明が不要になったりするわけではありません。
窓口申請でもオンライン申請でも、新しい勤務先で何をするのかを具体的に説明できる資料を準備することが重要です。
交付時には手数料が必要
就労資格証明書は、申請時ではなく、証明書の交付を受ける際に所定の手数料が必要になります。
2026年9月時点では、就労資格証明書の交付手数料は1,600円です。
また、オンライン申請については、制度変更により決済方法や手数料が変わる場合があります。
手数料は今後改定される可能性もあるため、実際に申請するときは出入国在留管理庁の最新情報を確認しておきましょう。
行政書士へ申請を依頼する場合には、この手数料とは別に行政書士報酬が必要になります。
審査期間には余裕を持つ
就労資格証明書は、申請したその場で交付される書類ではありません。
新しい勤務先の事業内容や仕事内容、外国人本人の経歴などを確認するため、一定の審査期間が必要になります。
また、申請件数や個別の事情によって審査期間が変わる可能性もあります。
転職後すぐに証明書が必要だからといって、短期間で必ず交付されるとは限りません。
特に在留期限が近い場合は、就労資格証明書だけを見るのではなく、在留期間更新とのスケジュールも含めて考える必要があります。
書類不足があると審査が長引くこともある
実務上注意したいのが、転職後の仕事内容を十分に説明できていないケースです。
たとえば、雇用契約書に「営業」としか記載されていない場合、どのような営業活動を行うのかが分からないため、追加資料を求められる可能性があります。
また、本人の学歴や職歴と仕事内容との関係が分かりにくい場合にも、追加説明が必要になることがあります。
追加資料を求められれば、その分だけ審査に時間がかかる可能性があります。
最初の申請段階で、会社の事業内容、本人の経歴、転職後の業務内容を整理し、一貫性のある資料を提出することがスムーズな審査につながります。
7. 転職時に就労資格証明書を申請する際の注意点
就労資格証明書は、転職後の就労可否を確認するうえで便利な制度です。
ただし、申請すれば必ず希望する内容の証明書が交付されるわけではありません。
転職先の仕事内容や本人の学歴・職歴によっては、現在の在留資格では予定する仕事を行えないと判断される可能性もあります。
申請前に、仕事内容と在留資格の関係を十分に整理しておくことが重要です。
仕事内容を曖昧にしない
最も注意したいのは、転職先の仕事内容を曖昧なまま申請することです。
「営業」「事務」「企画」といった職種名だけでは、実際にどのような仕事を行うのか判断できません。
たとえば営業職でも、法人顧客への企画提案、海外取引、市場分析、店舗販売など、実際の仕事は会社によって大きく異なります。
入管が確認するのは職種名そのものではなく、実際の活動内容です。
そのため、申請時には担当業務や業務割合まで具体的に整理し、現在の在留資格との関係を説明できるようにしておくことが大切です。
前職と仕事内容が違う場合は特に注意する
前職と転職後の仕事が大きく異なる場合は、現在の在留資格との適合性を慎重に確認する必要があります。
たとえばITエンジニアから営業職へ転職する場合でも、仕事内容によっては同じ「技術・人文知識・国際業務」の範囲内と判断できる可能性があります。
一方で、実際には店舗での接客や商品陳列、単純作業などが中心であれば、同じ在留資格では認められない可能性があります。
また、前職では問題なく許可されていたからといって、転職先でも自動的に認められるわけではありません。
転職先で実際に何をするのかを基準に判断することが重要です。
就労資格証明書で在留資格を変更することはできない
就労資格証明書は、現在持っている在留資格でどのような仕事を行えるか確認するための制度です。
現在の在留資格では認められない仕事を、新たにできるようにする制度ではありません。
もし転職後の活動が現在の在留資格の範囲外であれば、就労資格証明書ではなく、在留資格変更許可申請が必要になる可能性があります。
この違いを理解しないまま就労資格証明書を申請すると、予定していた入社日や勤務開始日に影響することもあります。
転職先が決まった段階で、「証明書で確認すればよいのか」「在留資格自体を変更する必要があるのか」を整理しておきましょう。
転職時の14日以内の届出も忘れない
就労資格証明書を申請したからといって、転職時に必要となる他の届出が不要になるわけではありません。
「技術・人文知識・国際業務」など一定の在留資格では、前の会社を退職した場合や、新しい会社と契約した場合に、所属機関等に関する届出が必要になります。
この届出は、原則として対象となる事実が発生してから14日以内に行います。
就労資格証明書と所属機関等に関する届出は、目的の異なる別の手続きです。
転職時は「就労資格証明書だけ申請すれば終わり」と考えず、退職・入社に伴って必要になる手続きを一つずつ確認しましょう。
在留期限が近い場合は更新との関係を確認する
就労資格証明書を申請しようとした時点で、在留期限が近づいているケースもあります。
この場合、就労資格証明書の交付を待ってから更新するのがよいのか、先に在留期間更新許可申請を行うのがよいのかを検討する必要があります。
特に転職直後に在留期限を迎える場合は、転職先の資料を準備する時間も限られます。
就労資格証明書の審査にも一定の期間が必要になるため、在留期限ぎりぎりになってから準備を始めるのは避けたほうが安心です。
転職を決めた段階で在留カードの有効期限を確認し、必要な手続きを逆算して進めることが大切です。
8. 就労資格証明書を取得しない場合のリスク
就労資格証明書は、転職した外国人すべてに取得が義務付けられているものではありません。
そのため、取得しなかったという理由だけで問題になるものではありません。
しかし、新しい勤務先の仕事内容が現在の在留資格で認められるか判断しにくい場合、何も確認せずに働き続けることで、後から問題が判明する可能性があります。
特に前職から仕事内容が変わる場合には注意が必要です。
転職後の仕事が適法か分からないまま働くことになる
就労資格証明書を取得しない場合、転職後の仕事内容が現在の在留資格で認められるかを、外国人本人や会社側で判断することになります。
前職と仕事内容がほぼ同じであれば比較的判断しやすいですが、職種や担当業務が変わる場合は注意が必要です。
たとえば「技術・人文知識・国際業務」で採用されたにもかかわらず、実際には店舗での接客や工場での単純作業が中心になっている場合、在留資格との適合性が問題になる可能性があります。
求人票の職種名だけではなく、実際に日常的に行っている仕事を基準に考える必要があります。
判断に迷う場合に、就労資格証明書を利用して確認することは一つの方法です。
次回の在留期間更新で問題が分かる可能性がある
転職時点で在留期間が十分に残っている場合、転職後の仕事内容について入管の審査を受けないまま長期間働くことがあります。
たとえば転職時点で在留期間があと2年残っていれば、新しい会社で2年間働いた後に初めて在留期間更新を迎える可能性があります。
その更新時に、新しい会社の事業内容や具体的な仕事内容について確認されることがあります。
そこで現在の在留資格との適合性に問題があると分かれば、それまで長期間働いていた分、対応が難しくなる場合があります。
転職後の仕事内容に不安があるのであれば、次回更新まで放置せず、早めに確認しておくほうが安心です。
在留期間更新が必ず認められるとは限らない
前職で何度も在留期間更新が許可されていたとしても、新しい勤務先での更新が必ず同じように認められるとは限りません。
転職によって勤務先の会社、担当する仕事内容、給与、雇用条件などが変わるためです。
特に転職後初めての更新では、新しい会社における仕事内容などを改めて確認される可能性があります。
「前の会社で同じ在留資格だったから大丈夫」と判断するのではなく、現在の勤務先と仕事内容を基準に考える必要があります。
過去の許可は、新しい会社での仕事内容まで保証するものではないという点を理解しておきましょう。
企業側にも採用リスクが生じる
就労資格証明書を取得しないことによるリスクは、外国人本人だけの問題ではありません。
採用後になって「予定していた仕事内容を、この在留資格では任せることが難しい」と判明すれば、企業側は仕事内容や人員配置を見直す必要があります。
特に特定の専門業務を担当してもらうことを前提に採用していた場合は、採用計画そのものに影響する可能性があります。
また、外国人本人との間で「採用時に聞いていた仕事と違う」といったトラブルになることも考えられます。
企業側としても、外国人を採用する段階で在留資格と仕事内容の適合性を確認することが重要です。
取得するかどうかは仕事内容を見て判断する
就労資格証明書は、「外国人が転職したら必ず取得するもの」ではありません。
たとえば前職とほぼ同じ専門業務へ転職し、仕事内容と在留資格の関係が明確であれば、取得する必要性が低い場合もあります。
一方で、職種が変わった場合、複数の業務を担当する場合、仕事内容が在留資格の範囲に含まれるか判断しにくい場合には、取得を検討する価値があります。
また、次回の在留期間更新まで長期間残っている場合も、早めに確認する意味があります。
一律に「取る・取らない」を決めるのではなく、転職内容や本人の経歴を見ながら判断することが大切です。
9. 山梨県で就労資格証明書を行政書士へ依頼するメリット
就労資格証明書は、外国人本人が自分で申請することも可能です。
ただし、転職後の仕事内容が現在の在留資格に該当するか判断しにくい場合は、単に申請書を提出すればよいというものではありません。
外国人本人の学歴や職歴、新しい勤務先の事業内容、担当する仕事などを整理し、現在の在留資格との関係を説明する必要があります。
山梨県・甲府市周辺で転職する外国人や外国人を採用する企業にとって、行政書士へ相談することで手続きを整理しやすくなります。
就労資格証明書が本当に必要か確認できる
まず確認したいのが、「そもそも就労資格証明書を取得したほうがよいケースなのか」という点です。
転職後も前職とほぼ同じ専門業務を行う場合など、就労資格証明書を取得する必要性が低いケースもあります。
一方、転職後の仕事内容が現在の在留資格の範囲外であれば、就労資格証明書ではなく在留資格変更許可申請を検討しなければなりません。
行政書士へ相談することで、現在の在留資格、転職後の仕事内容、本人の経歴などから、どの手続きが適しているか整理しやすくなります。
最初に方向性を確認しておけば、不要な申請を行ったり、転職後になって別の手続きが必要だと分かったりするリスクを減らせます。
仕事内容を入管に伝わる形に整理できる
就労資格証明書の申請では、「営業」「事務」「企画」といった職種名だけでは、実際の仕事内容を十分に説明できない場合があります。
そのため、具体的な担当業務、仕事の流れ、取引先、専門知識を活用する場面などを整理する必要があります。
特に山梨県内の中小企業では、一人の従業員が営業、通訳、事務、顧客対応など複数の業務を担当するケースも考えられます。
このような場合には、どの業務が中心で、どの業務が付随的なのかを整理することが重要です。
行政書士に相談することで、会社側が普段使っている職種名をそのまま書くのではなく、実際の仕事内容が伝わる形に整理しやすくなります。
学歴・職歴との関係も確認できる
「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格では、外国人本人の学歴や職歴と仕事内容との関係が重要になることがあります。
転職先の仕事内容だけを確認しても、本人の大学での専攻やこれまでの職歴との関係が整理できていなければ、申請時に説明が難しくなる場合があります。
行政書士へ相談する際には、卒業した学校、専攻内容、過去の勤務経験なども確認しながら申請内容を整理できます。
特に前職から仕事内容が変わる場合は、「これまでの経歴を転職後の仕事でどのように活かすのか」という視点も重要になります。
転職後に問題に気付くのではなく、できれば採用前や入社直後の段階で確認しておくことをおすすめします。
外国人本人と会社の認識を合わせられる
実務上注意したいのが、外国人本人と会社側で仕事内容について認識が異なっているケースです。
たとえば本人は「通訳や海外取引を担当する」と考えている一方で、企業側では現場作業や店舗業務も多く担当してもらう予定になっていることがあります。
このような認識の違いを残したまま入社すると、在留資格上の問題だけでなく、雇用関係のトラブルにもつながる可能性があります。
就労資格証明書の申請を検討する過程で、実際の仕事内容や業務割合を双方で確認することには大きな意味があります。
外国人本人と企業側の認識を合わせたうえで申請内容を整理することが、採用後のミスマッチ防止にもつながります。
転職後の更新まで見据えて相談できる
就労資格証明書を取得すれば、外国人雇用に関する手続きがすべて終了するわけではありません。
転職時には、在留資格によって所属機関等に関する届出が必要になることがあります。
また、在留期限が来れば在留期間更新許可申請が必要となり、その際には新しい勤務先での仕事内容などについて改めて確認されることがあります。
行政書士へ相談することで、就労資格証明書だけではなく、転職時の届出、在留期間更新、必要に応じた在留資格変更まで一連の流れとして整理できます。
山梨県・甲府市周辺で外国人の転職や中途採用を予定している場合は、入社後に問題が判明する前に、早い段階で必要な手続きを確認しておくことが重要です。
10. まとめ
就労資格証明書は、外国人が現在持っている在留資格で、どのような仕事を行うことができるかを証明するための書類です。
特に転職した際、新しい会社での仕事内容が現在の在留資格に該当するか確認するために利用されます。
就労資格証明書は、転職した外国人全員に取得が義務付けられているものではありません。
前職と転職後の仕事内容がほぼ同じで、現在の在留資格の範囲内であることが明確な場合には、取得せずに働くこともできます。
重要なのは、「必須かどうか」だけではなく、新しい仕事内容について確認しておいたほうがよいかという視点です。
前職から仕事内容が大きく変わる場合や、営業・企画・事務など職種名だけでは判断しにくい仕事の場合は、取得を検討する価値があります。
出入国在留管理庁も、転職後の仕事内容が現在の在留資格で行える活動に該当するか確認したい場合、就労資格証明書による証明を受けられるとしています。
次回の更新まで長期間ある場合にも、早い段階で確認する方法として利用できます。
就労資格証明書を取得すれば、新しい種類の仕事を自由にできるようになるわけではありません。
現在の在留資格で認められない仕事へ転職する場合は、在留資格変更許可申請が必要になる可能性があります。
転職後の活動が現在の在留資格から変わる場合には在留資格変更が必要であることを、出入国在留管理庁も案内しています。
この違いを理解したうえで、必要な手続きを選ぶことが重要です。
就労資格証明書を取得するメリットは、転職時点だけではありません。
新しい勤務先での仕事内容について早めに確認しておくことで、その後の在留期間更新に向けた準備もしやすくなります。
逆に、何も確認しないまま長期間働き、更新直前になって問題が分かると対応が難しくなることがあります。
転職時点から次回の在留期間更新まで一連の手続きとして考えましょう。
外国人の転職では、在留カードの有効期限だけを確認すればよいわけではありません。
現在の在留資格、新しい会社での仕事内容、本人の学歴や職歴、転職時の届出などを総合的に確認する必要があります。
山梨県・甲府市周辺で転職した外国人や外国人採用を行う企業で、「この仕事を現在のビザで任せても大丈夫か」と不安がある場合は、次回更新の直前まで待たず、早い段階で行政書士へ相談することをおすすめします。


